葛(くず)
俳句 |
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真葛原 野積みのままの 瓦かな 天空に 夢掴まんと 葛伸びぬ 葛の花 気づけば歩む 父の道 色持ちて 巣立ち行く娘や 葛の花 葛の花 半歩前見る ゆとりかな |
葛咲きて 車の街に 住む娘かな 電線を 伝ひ真葛の どこまでも 廃屋を 呑込む葛の 命かな 廃屋に 命吹込む 真葛かな 傷つきし バッタの葛に 隠れけり |
季語について |
俳句にまつわる話 |
9月5日(土)の栄句会の季語は<葛(くず)>でした。 俳句をやるまでは草花や自然に興味がなかったので、 この葛も分かりませんでした。 でも、句を作らねばということで、探してみたら 回りに一杯ありました(*^_^*)。 改めて、気づくことの重要さを知りました。 秋の七草の一つで、葛の葉は一杯ありますが、 近くに寄って、見ないと葛の花はわかりません。 葉に隠れている控えめで小さな花です。 <歳時記>には、次のようにあります。 蔓は樹木をよじ、地を這って、いくらでも伸び広がる。 葉の裏が白いので、風が渡って、 いっせいにひるがえる風情は捨てがたい。 茎は繊維が強く、昔から綱の代用となり、 根は晒して葛粉を作り食用にし、また薬用にする。 吉野葛は有名。 ****** そこで一句。 真葛原野積みのままの瓦かな 天空に夢掴まんと葛伸びぬ 葛の花半歩前見るゆとりかな 葛咲きて車の街に住む娘かな 廃校の校舎呑込む真葛かな なお、真葛(まくず)とは、葛を褒め称える枕言葉です。 |