焚火

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俳句


ランドセル 温もってゐる 焚き火かな

手をかざし 次は背中の 焚き火かな

遅き子を 暫し待つ間の 焚き火かな

病みし日を 自慢しながら 焚き火かな

過ぎ去りし 思い出集め 焚き火かな
 

子の行きて 老人だけの 焚き火かな

酢の街に 生きて老ひ行く 焚き火かな

落葉焚き 一人火番の 残りけり

文一つ 残して燃やす 焚き火かな

ボランティア 老人達の 焚き火かな

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 <焚き火>をしたのは昔のことで、
今は外でむやみに火を燃やすことができなくなったこともあり、
焚き火らしきことは一切ありません。
そのため私にとっては焚き火は思い出の中だけのものです(^_^;)。

 職場に向かう途中にある並木道は
今はイルミネーションで綺麗に生まれ変わっていますが、
この時期になると落葉が激しく道が汚れます。
それを週に一度、70代後半以降の老人のボランティアが
落葉を集めて掃除をしています。

 いつか自分もああなるのかと思って見ていますが、
集めた落葉はどこかで燃やしているのでしょうか?
今は集めた落葉は市のゴミ収集車が
回収をしているかもしれません。

 でも俳句を作るためには、
ぜひボランティアが終わった後は
みんなで落ち葉焚きをして、
持ち寄ったお菓子を食べて、
噂話やいろいろな話題で盛り上がっていてほしいものです(*^_^*)。
老人達の社交の場としての焚き火を想像して句を作りました。

そこで一句。
 ボランティア老人達の焚き火かな
 病みし日を自慢しながら落葉焚き
 身の丈に余る箒や落葉焚き

 今や焚火は滅多にない風景ですが、
私の子供の頃は、冬ともなればどこにでもある普通の風景でした。
地球温暖化の影響もあるのでしょうが、
昔(40〜50年くらい前)はもの凄く寒かった気がします。
まあ貧乏な家、貧乏な日本でしたから、
着るものも粗末でしたし、
暖房器具も十分でなかったから
そう感じたのかもしれません。

 小学校の頃は通学団で一緒に学校に行っていました。
そのため連絡なしで集合時間に来ない子はしばらく待っていたり、
家まで呼びに行ったりしていたのですが、
その間に防寒のために焚火にあたったりしていたことを覚えています。

 ランドセル温もってゐる焚火かな
 手をかざし次は背中の焚火かな
 遅き子を暫し待つ間の焚火かな
 子の行きて老人だけの焚火かな

 焚火で恋の句を作ろうと考えてみました(*^_^*)。
私は手紙を書くのが好きで、好きな人ができると
結構まめに恋文を書きました。
今も昔も恋多き朔太郎ですが、
その分失恋も多かったです。
私は失恋をすると、その恋を忘れるために
手紙の束を燃やしたりしていました。
返って思いが募るですが……。

 文一つ残して燃やす焚火かな
 夕暮れに一人文燃す焚火かな
 次の恋始まってゐる焚火かな
 

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