早春
俳句 |
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山車蔵の 眠る境内 春浅し 早春や 蕾微かに 花の色 早春や 蕾堅けど 花の色 鶏足の 如き蕾や 春浅し 早春を 映す神馬の 瞳かな |
早春や 煙途絶えし 陶の町 早春や 童話の径に 道祖神 石燈の 脇に火之神 春浅し 早春や 閉じて久しき 勅使門 早春や 廟所の扉 堅く閉じ |
季語について |
俳句にまつわる話 |
2月6日(土)栄句会の季語は<早春>でした。 早春とは、立春以後から2月末頃までをいいますが、 春らしい暖かさよりも、冬の名残の寒さがめだちますが、 それでもいろいろな所で春の訪れを感じることができる時期です。 <早春>の季語で句を作ろうと一人で吟行に行ってきました。 私の住んでいる半田は、童話作家「新美南吉」(代表作ごん狐)の 生誕の地で南吉ゆかりの史跡が、いろいろな所にあります。 南吉の生家と養家、南吉ゆかりの神社に南吉の墓、 記念館と矢勝川等です。 そこで一句。 山車蔵の眠る境内春浅し 早春や南吉養家土間暗し 半田の桜の名所である雁宿公園には、 南吉の詩碑(貝殻の歌)があります。 桜の花はもちろんまだ咲いていませんが、 蕾が膨らんで、何かに似ていると思ったら、 鶏の足でした(^_^;)。 その蕾が微かに色づいて空を薄く染めていたのが印象的でした。 そこで一句。 早春や蕾微かに花の色 早春や蕾堅けど花の色 鶏足の如き蕾や春浅し |