つくし

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俳句


還暦に まだ伸びんとす 土筆かな

SLの 走りし線路 土筆摘む

母のため 土筆摘む子の どこまでも

木綿蔵 守る地蔵や 土筆萌え

出荷待つ 野積み瓦や 土筆萌え
 

ガチャ万の 夢の残骸 野の土筆

廃窯の 焦げし煙突 野の土筆

野に土筆 見つけし後は 次々と

隠れても 頭隠せぬ 土筆かな

野の土筆 見つけて欲しき 心かな

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 3月20日(土)の栄句会の季語は土筆でした。

 週末に時々半田図書館に行きますが、
その日は駐車場が満杯で仕方なしに、
図書館から一番遠い所に停めて歩いて行きました。
その途中に土手があったので、これ幸いと土筆を探しました(*^_^*)。
いざとなるとなかなか見つからなかったけど、
やっとのことで一本見つけたら、その回りに一杯ありました。
土色となって、見つからないように
そっと身を隠しているようです。

 そこで一句。
 野に土筆見つけし後は次々と
 土色となりて土筆の身を守る
 隠れても頭隠せぬ土筆かな
 野の土筆見つけて欲しき心あり

 土筆摘み、少年の頃の思い出です。
土筆の煮ものが好きなわけではなく、
たくさん摘むことだけが楽しみでした。
私が少年の頃は、SLが走っていて、
その線路に落ちているコークス(石炭殻)を
親友と拾いながら、どこまでも歩いて行った思い出があります。
そして、その線路の土手には一杯の土筆が萌えていました。

 そこで一句。
 SLの走りし線路土筆摘む
 母のため土筆摘む子のどこまでも

 春といえば人事
私は来年度で定年なので、ほとんど影響はないのですが、
周りの人を見ていて、
つくづく人事とは人がやることだと思いました(>_<)。
人が人をある思いがあって動かすから、
そこに悲喜劇が生まれます。
その蚊帳の外に置かれることは、気楽なことでもあり
また少し寂しいことでもあります。

 そこで一句。
 野に土筆歩駒を弾く人事かな
 肩書きの取れて寂しきつくしんぼ
 

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