鶯(うぐいす)

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俳句


鶯や 酢蔵けだるき 昼の月

鶯や 夫婦を描く 似顔絵師

鶯や 絵馬に異国の 文字踊る

鶯の 初音終えたる 安堵かな

鶯の 密かに試す 初音かな
 

鶯の 飛騨路に遅き 初音かな

鶯の 初音確かむ 古道かな 

脇道に 入りて鶯 探しけり

鶯や 神の峠の 塩むすび

鶯や 飛騨に根雪の 露天風呂

 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 2月20日(土)の栄句会の季語は<鶯>でした。

 鶯は昔からホーホケキョと鳴いて、春の到来を知らせることから
春告鳥(はるつげどり)といわれています。

 鶯といえば初音(はつね)ですが、
初音とはその年に初めて聞く鶯の鳴き声のことです。
ケキョケキョケキョと続けざまに鳴くのを
鶯の谷渡(うぐひすのたにわたり)といいますが、
鳴くのは雄で、自分の縄張りを主張するためと
雌への求愛のために鳴いているそうです(^_^;)。

 鶯の鳴き声は人間が考える程のどかで悠長なものではなく、
自分の本能、種の保存のために鳴いているわけで、
それを考えると、哀れであり愛おしくもあります。

 鶯と聞くと誰でも春の到来を考えるように
私もようやく寒くて長い冬が終わって、
待ちに待った春がやってきた、そんな喜びの気持ちを
句に込めることができたら良いと思って句を作りました。

 人間と同じように鶯も初音は良い声で鳴きたい
褒められたいそんな思いがあるのでは(*^_^*)?
これで恋の成就がかかっているのですから、
気合いが入るわけです。

 そこで一句。
 鶯の初音終えたる安堵かな
 鶯の密かに試す初音かな

 もう7年も前ですが、乗鞍の方へ
4月の末頃行ったことがあります。
山の中をハイキングしたのですが、
その時に根雪、蕗の薹と一緒に、鶯の声を遠くで聞き
山国は春の訪れも遅いのだと実感したものです。

 そこで一句。
 鶯の飛騨路に遅き初音かな
 鶯の初音確かむ古道かな 
 

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