湯豆腐
俳句 |
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湯豆腐や 母を看取りし 妻の恩 湯豆腐や 聞いた振りする 妻の愚痴 湯豆腐や 母の温もり 割烹着 湯豆腐の 喉ごし熱き うまさかな 湯豆腐や 句に蘇る 父母のこと |
湯豆腐や 煙途絶えし 陶の町 湯豆腐や 口が先出る コップ酒 湯豆腐や 母に青春 忍ぶ恋 湯豆腐の 浮けばすかさず 掬ひけり 湯豆腐の 支度いそいそ 出かけけり |
季語について |
俳句にまつわる話 |
1月30日(土)栄句会の季語は<湯豆腐>でした。 湯豆腐は子供の頃よく食べました。 すき焼きはたまのご馳走で、 我が家にとって鍋と言えば湯豆腐でした。 まあ、日本中が貧しかったから仕方がないのですが、 それでも子供の自分にとっては、 湯豆腐はおいしいおかずではありませんでした(>_<)。 でも<湯豆腐>が今はおいしく感じるようになりました。 きっと年を取った証拠ですよね(*^_^*)。 というわけで、湯豆腐から思い浮かぶのは 昔の我が家の食卓風景ばかり……。 そこで一句。 湯豆腐や母の温もり割烹着 湯豆腐や句に蘇る父母のこと 湯豆腐や母に青春偲ぶ恋 湯豆腐と聞くと、 私は<湯豆腐やいのちのはてのうすあかり>という 久保田万太郎の名句を思いだします。 私もこんな深くて味わいのある句を作ってみたいと頑張ってみましたが、 所詮器が違います(>_<)。 そこで一句。 湯豆腐や母を看取りし妻の恩 湯豆腐や煙途絶えし陶の町 |