冬支度

    俳句の目次へ 

 

俳句

床下に ほだ木積む寺 冬支度

冬支度 墨黒々と 鍋の文字

ネクタイに 時の疲れや 冬支度

大草鞋 吊るし仁王の 冬支度

習ひ事 一つ増やして 冬支度
 
門司駅に 客待つ車夫や 冬支度

門司港の 猿の半纏 冬支度

足の裏 割れていつもの 冬支度

タグ外す 重き背広や 冬支度

波荒き 関門橋の 冬支度
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 11月6日(土)の栄句会の季語は冬支度でした。

 <床下に ほだ木積む寺 冬支度>

 皆さんは<ほだ木>を知っていますか?
私は俳句を始めてしばらくして知りました(^_^;)。
 神社仏閣で、初詣の人のための明かりや
暖をとるため焚き火をしますが、
そのための丸太のことをいいます。
ほだ木を使った焚き火のことを、
<ほだ火>という言い方をしますが、
なかなか雰囲気のある言葉で、
私は気に入っています(*^_^*)。

 <冬支度 墨黒々と 鍋の文字>

 冬になると鍋が食べたくなります。
おいしい鍋がいろいろありますが、
私のお気に入りは「赤から鍋」です。
「赤から鍋」のように年中鍋がある店は別にして、
冬だけ鍋を出す居酒屋などでは、
「鍋を始めました」とか、壁に墨で品書きがかかると、
冬が来たなあという感じを受けます。

 <タグ外す 重き背広や 冬支度>

 ここ四五年、衣類の衣更えは自分でやるようになりました(^_^;)。
クリーニングされた冬物のビニールを破り、
スーツを出すと、そのずしりとした重さが冬を感じさせてくれます。

 <門司駅に 客待つ車夫や 冬支度>
 <門司港の 猿の半纏 冬支度>

 2年ばかり前の冬に、
下関に河豚づくしのバスツアーに行ってきました。
そのルートに<門司レトロ>という
昔の街並みを保存した地区があるのですが、
そこに猿回しがいました。
路上でおどけて芸をする猿まわし、
でも寒い路上は人がまばらで、哀れな感じを受けました。
 

上に戻る