東風

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俳句


自詠句の 仮名の連綿 東風日和

東風日和 徐々に心の 皺伸ばす

相聞の 仮名のびやかに 東風日和

女学生 東風にペダルの なお軽き

夕東風や 十年先の 道標
 

東風と共 帰国せし子の 職探し

夕東風や 老ひてますます 夢広ろぐ

街に東風 帰国せし子の 逞しき

強東風の 心地良きかな 良き句会

せっかちな サーファー集ふ 東風の浜

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 
 東風とは、春になって東から吹く風のことで、
春吹く風ではありますが、まだやや寒い感じがします。

 東風といえば、菅原道真の有名な歌があり、
それを思い出してしまいます(*^_^*)。

 ♪ 東風吹かば匂いおこせよ梅の花
  あるじなしとて春な忘れそ

 今中日文化センターで小筆を習っていますが、
その先生が主催する<冬芽会>という書の会があります。
その会は、自詠句(自分が詠んだ俳句や短歌)を
思い思いに書の作品として完成し、年に一度展覧会を開いています。
それを見てきました。
どれもすばらしい作品で、私はまだまだと思いました。
今の私のレベルは高校生程度だとわかりましたが、
5年後にはここに展示できるようになることを
目標にしようと決意しました。

 そこで一句。
 自詠句の仮名の連綿東風日和
 <連綿>とは、辞書によれば長く続いて絶えないさまのことで、
「江戸時代から―と続く老舗」のように使われます。
でも、この句の中の連綿は
仮名文字を行書で書く時、2文字ないし3文字
続けて書くことで、これによって書に柔らかさや流れが出てきます。

 相聞の仮名のびやかに東風日和
 <相聞(そうもん)>とは、万葉集の中の恋の歌のことです。

 東風日和徐々に心の皺伸ばす
 春になると人はうきうきとし、ポジティブになるものです。
冬の間に縮んだ心を
東風の風と共に、徐々に伸ばして行きます。
 

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