新茶

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俳句

黒波の 幾重寄せ来ぬ 新茶かな

新茶の香 孕みて風車 回りけり

黒色に 染める葦簀や 新茶畑

単語帳 新茶に母の 塩むすび

今時に 始まる愚痴や 新茶の香
 
臨書する 筆の疲れや 新茶の香

新茶の香 動かぬ言葉 探しけり

腹八分 決めて余生の 新茶かな

見栄と意地 四つに組みけり 新茶の香

自由人 なりて新茶の 渋さかな

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 新茶とは、茶の新芽を摘んで、その年最初に作られた茶のことで、
走り茶ともいわれます。
 茶は始め上質な新茶のために、新芽を手摘みし、
その後はハサミ摘みや機械摘みとされます。

 新茶というと、唱歌の<茶摘み>を思いだします。
「夏も近づく八十八夜・・・♪」
 この八十八夜は、立春からかぞえて八十八日目、
だいたい五月二日頃にあたります。

 西三河の西尾市は、てん茶(抹茶の原料)生産が日本一です。
というわけで、西尾市にある<茶の公園>に4月末に行ってきました。
そこからは、茶処西尾だけあって、茶畑が一面に広がる壮大な景色でした。
そして、茶畑のあちこちには、霜よけ用の風車が無数に回っています。

 また、日に弱い新茶を守るために、
新葉がふく、4月中旬から黒い葦簀等で覆い
太陽光を97%以上遮断するそうです。
その黒い葦簀で覆われた茶畑の風景は、
遙か彼方より、黒い波が幾重にも打ち寄せてくるような感じでした。

 新茶の香 孕みて風車 回りけり
 黒色に 染める葦簀や 新茶畑
 今時の 奴に始まる 新茶かな
 臨書する 筆にも疲れ 新茶の香
 腹八分 余生楽しむ 新茶かな
 

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