梅雨

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俳句

梅雨入や 客待つ車夫の いかり肩

梅雨明けの 空に戦ふ 白と黒

青梅雨や 島の社に 貝の絵馬

梅雨晴れに 巡る離島の 文学碑

梅雨晴れ間 真白き海女衣 干されけり
 
梅雨寒や 五玉算盤 通し土間

梅雨晴れや 走るヨットの 水脈白し

梅雨晴れや ようやく決まる 子の仕事

父方に 胃癌の系譜 梅雨寒し

黒南風(くろはえ)や 隅田のうねり 屋形船

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 黒南風(くろはえ)とは、梅雨の始めに吹く南風で、
白南風(しろはえ)とは、梅雨が明ける頃吹く南風のことです。
このような微妙な表現があることが、日本語の豊かさであり、
それを季語とする、俳句の良さでもあります。
そしてそれは、自然と共に生きてきた
日本人の感性の豊かさの表れでもあります。

 梅雨明けの空に戦ふ白と黒

 梅雨の初めの頃は青葉の頃とも重なるため、
その頃の梅雨を、青梅雨という言い方をします。

 青梅雨や島の社に貝の絵馬

 この句は神島に行った時の句です。
あの島の神社には、鮑の貝殻に願い事を書いて
絵馬として奉納してありました。

 梅雨晴れやようやく決まる子の仕事

 会社を辞めて1年半、一人外国へ行って
自分探しをし、今年の2月に帰って来た息子の
就職がようやく決まりました。
それは、自分が希望していたものではなく、妥協の産物です。

 今のご時世、それも仕方ないのかもしれません(^_^;)。
そこには1年半も外国へ進学するということの価値を
どう考えるかという、採用側の価値観の相違があるのでしょう。

 父方は胃癌の系譜梅雨寒し

 胃病はまさにストレスですね。
今はストレスがほとんどないので、胃は快調です(*^_^*)。
でも15年ばかり前、腰で3ヶ月入院し、
手術を待っていた時、そのストレスから尋常でない胃痛が始まりました。

 胃潰瘍の恐れありというので、
胃カメラまで飲みました。(幸い、胃炎で済みましたが……)
その時つくづくと私は、
精神的に弱い人間だと思い知りました。

 父は77才の時胃癌でなくなりました。
父の兄と弟もその後を追うように胃癌で亡くなりました。
そんなわけで、死ぬ時は胃癌でと覚悟はしているのですが、
そうかといって、あのきつい胃カメラだけは飲むのはいやですね(^_^;)。
 

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