落葉
俳句 |
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三成の 落ちし杣道 朴落葉 越えられぬ 堰に時待つ 落葉かな 丸まりて 葉裏の白き 朴落葉 廃貨車の 黒き塊 柿落葉 表向く 落葉少なし 古戦場 |
良き風を 待ちて飛立つ 落葉かな 散り際を 計りし如き 落葉かな 関ヶ原 青き落葉の 無念かな 陣跡の 落葉濡らすや 昨夜の雨 朴落葉 山の傾斜を 足裏に |
季語について |
俳句にまつわる話 |
11月19日(土)の栄句会の季語は<落葉>でした。 枯葉と落葉は厳密に言うと違います。 枯葉はまだ枝についている状態をいい、 落葉は枝から離れて地面に落ちている状態をいうそうです(*^_^*)。 ただ、そこら辺は結構曖昧な部分もあって、 有名な俳人の句でも、枝に付いている状態の葉を 落葉と詠んでいる名句をあります。 落葉というと冬の季語、それも淋しさを強く感じます。 人生の終わりとか、失意のどん底とか、失恋とか、別れとか……。 でも、発想を転換しポジティブに考えれば、 落葉は土の養分となり、次の新しい葉の誕生の役割を担うもので、 次の世代へのバトンタッチのために、 絶対に必要なこと考えることもできます(*^_^*)。 三成の 落ちし杣道 朴落葉 関ヶ原の古戦場で詠んだ句です。 杣道(そまみち)とは、狭い山道のことです。 西軍(石田三成側)の敗因は何であったか、 私は三成の人望のなさだった気がします。 いろいろ言っても、人は感情(好き嫌い)で動くものです。 でもそれを知らない三成は、 小早川秀秋の裏切りさえなければ、 勝てたのにとの悔しい思いを胸に、 居城である長浜の佐和山城を目指して落ちていきました。 丸まりて 葉裏の白き 朴落葉 小早川秀秋が陣を敷いたのは、松尾山です。 その山道に朴の葉の落葉が一杯ありました。 食いしん坊な私は、高山の旅館で食べた 朴葉味噌を思いだしてしましたが…(^_^;)。 大きな朴葉が幾重にも重なりあっている姿が印象的でした。 関ヶ原 青き落葉の 無念かな 陣跡の 落葉濡らすや 昨夜の雨 西軍、東軍それぞれの陣跡を歩いて巡りましたが、 陣跡の名前は武将のもので、その武将については語られていますが、 一緒に戦った20万近い名もない一兵卒がいたわけです。 彼らにも両親がいて、妻や子がいたわけで、 彼らにも彼らなりの人生があったわけです。 でも、その人生は語られません。 良き風を 待ちて飛立つ 落葉かな 散り際を 計りし如き 落葉かな 私は、落葉に人の人生、自分の人生を重ねてしまいます。 そして、散り際は潔くありたいと思っています。 また、残りの人生を有意義に、かつ楽しんでいきたいと思っています。 |