新酒
俳句 |
|
鼻歌に 十八番(おはこ)の演歌 新走り 心門の 閂を抜く 新酒かな 饒舌と なりたき夜の 新酒かな 出世せし 友の挫折や 新走り 新走り 酔えど忘れぬ 矜持かな |
地の魚 人の情けと 新酒かな 週明けの 一ト日終わりて 新酒かな せっかちは 少年のまま 新走り 新走り 心の中に 鬼を飼ふ 新走り 下戸も上戸も 集ひけり |
季語について |
俳句にまつわる話 |
10月2日(土)の栄句会の季語は<新酒>でした。 新酒は秋の季語ですが、 俳句では新酒のことを新走り(あらばしり)という言い方もします。 俳句を作るときは、その季語からどういうことを 連想するかから始めます。 私にとってお酒は強い味方です(*^_^*)。 お酒を飲むと何でも自由に話ができ 普段だと抑えていたことが 堰を切ったように流れていきます。 そういう意味で、私にとってのお酒は 自分を解放してくれるものです。 そこで一句。 心門の閂を抜く新酒かな 饒舌となりたき夜の新酒かな 酒に酔うと人が変わったようになる人がいます。 人に暴言をはいたり、暴力を振るったりするのは最低ですね。 よく酒の上のことだから許してくれとか言いますが、 私は許せません。 また、酒を飲み過ぎて何も覚えていないとかも 正直私は信じられません。 もちろんそれほど酒を飲めないこともありますが、 私は酔うと余計に頭がさえて、冷静にしゃべれます。 (酔ったふりしてバカを言う事はありますが、 それでも、その反応は結構冷静に分析しています。) とにかく酒は楽しいものでなければならず、 絶対に人に迷惑をかけるべきではないと思います。 といいながら、過去には何度も迷惑をかけたことがありますが……。 その反省を込めて、一句。 新走り酔えど忘れぬ矜持かな 新走り心の中に鬼を飼ふ 矜持(きょうじ)とは辞書によりますと、 「自信と誇りとか プライド」とありますが、 私は<自制心>みたいな意味で使いました。 自分の性格が嫌で、 直そうといろいろやってきました。 例えば、人付き合いが下手であること。 人とうまくコミュニケーションがとれない 特に女性とは自意識過剰でうまくしゃべれません。 それをなんとかしようと、いろいろなことをして ここまで頑張ってきましたが、 やはり変わったようで、根本的な所は変わっていませんね(;>_<;)。 その最たるものが<せっかち>なことです。 この年になっても、何か大事なことをする時には、 心の中で、<ゆっくりと落ち着いてやれ>と言い聞かせています。 そして、なにもせずにぼーとしていることが苦手で、 ゆっくりと暇な時間を楽しむことができません。 定年となったこれから、どうなっていくのでしょうか(><)? そこで一句。 せっかちは少年のまま新走り |