新松子

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俳句


迷ふ子の 踏出す半歩 新松子

祖母のため 介護目指す子 新松子

電話から 弾む子の声 新松子

街道に 卯建の旧家 新松子

職退きて 後の生甲斐 新松子
 

新松子 伊勢へ誘ふ 標石

新松子 桑名城址に 舫船

新松子 七里の渡 凪にけり

病葉の 枝にも青き 松の笠

新松子 家族の如く 寄添ひぬ

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 9月3日(土)の栄句会の季語は、
新松子(しんちぢり)でした。
といっても、この日はあの<のろのろ台風>の時で
暴風警報がでていたので、私は自主的に欠席をしました(*^_^*)。

 でも実際は中止になっていなかったそうです。
私の感覚では、暴風警報がでていれば
中止にすべきだと思います。
名古屋以外から通っている人もいるのですから…。

 新松子(しんちじり)とは、
今年できたばかりの松かさ(松ぼっくり)のことです。
私は俳句をやっているので、知っていますが、
一般的にはなじみのない言葉です。

 この季語で俳句を作るために、
碧南市の水族館の当たりの松並木を見学にいきました。
そこで写真のような新松子を見つけました。

 新松子からは、
新鮮な初々しさ、旅立ちや再出発などを連想しました。

 そこで一句。

 迷ふ子の踏出す半歩新松子
 電話から弾む子の声新松子

 親としてはいくつになっても子供は心配なものです。
まして、道に迷って苦しんでいる子であれば……。

 子が悩んでいても、親として何もしてやれません。
結局悩んだ末、自分で道を見つけ
その道を歩んで行かなければなりません。

 たとえ親が望んでいた道とは違っても、
迷った子が、自分で進む道を見つけ
その道でがんばっている姿は嬉しいものです。

 祖母のため 介護目指す子 新松子

 私の母はもうなくなりましたが、
認知症で5年ばかり患い、
施設と家で介護をしました。

 しましたと言ってもほとんど家内が
してくれたわけで、その苦労を考えると一生
頭が上がりません(;>_<;)。

 長男はお婆ちゃん子で、
祖母の認知症を直すことを目標に、
その関連の大学の学部へ進みました。
残念ながら卒業するまでに
祖母は亡くなってしまいましたが、
今は名古屋の養護老人施設で働いています。
 

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