睡蓮

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俳句

睡蓮の かすかに聞こゆ 息づかい

睡蓮の 揺れても背筋 伸ばしけり

睡蓮や 刃となりて 天を突く

人知れず 咲きて睡蓮 枯れにけり

男故 引けぬ一分 未草
 
また一つ 波紋生るる 未草

立ち姿 あくまで凛と 未草

睡蓮の 池に静けさ 満ちにけり

地図になき 池に自生の 未草

水面(みなも)より ぬっと睡蓮 顔出しぬ
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


愛知県の蓮と睡蓮の名所を検索し、
家からわりと近い大府市に、7月9日(土)に行ってきました。
皆さんは、蓮と睡蓮の区別つきますか(^o^)?

 最初に行ったのが、蓮の名所である星名池です。
なかなかおしゃれな名前の池ですね(*^_^*)。
朝の9時前についたのですが、
池の周辺はすでに一杯の人で、
ここが蓮の名所として、近隣の人に有名であるかが伺えました。

 私は蓮と睡蓮は同じようなものだと思っていました。
だから、睡蓮の句も蓮を見てそこから類推すれば
いいやと、安易に考えていましたが、
実際は似ているとは言え、全くの別物でした(^_^;)。

 その違いは写真(1と2は蓮、3は睡蓮)を
見てもらえば分かると思いますが、
蓮は葉が大きく、高く茂っていて、私の背丈以上のものもありました。
花は華やかで、丸い感じ、私は桃をイメージしましたが、
背も高く水中からはるか上に咲いています。

 蓮と言えば、芥川龍之介の<蜘蛛の糸>から
お釈迦様とか極楽、西方浄土のイメージを強く受けます。

 たくさんの人が蓮の花を見に来て
ほとんどの人がカメラを、
それも本格的なカメラを脚立に据えて、
半プロの写真家が花の開く瞬間を狙っていました。

 次に睡蓮の名所である、白魦池(しらはいけ)に行きました。
ここへはナビに住所を入れて走ったのですが、
山の中の細道で、道標も無くて迷ってしまいました。
もうあきらて帰ろうか、でもせっかくここまで来たのだから、
もう一度探してみようと思って、やっと見付けることができました。

 ここは、自生する睡蓮として有名な所だそうですが、
人が全くいなくて、それも池の端っこに、
小さく囲いをつけただけのもので、ぱっと見では分かりません。

 睡蓮の池は、まさにモネの絵のような静かな池でした。
睡蓮の葉は、まん丸で、水にぴたっとひっつくように浮き、
花は水面すれすれに、顔ををだしています。
華やかさというよりも、凛とした感じを受けました。
花は蓮の丸み、柔らかさと違って、
鋭く堅い感じから、強い意志を感じました。

 睡蓮のことを、未草(ひつじくさ)とも言いますが、
それは、花が未の刻(14時頃)に咲くことからだそうです。
それに対して、蓮は6時から9時頃の朝方に咲きます。

 そこで一句。
 睡蓮のかすかに聞こゆ息づかい
 睡蓮の揺れても背筋伸ばしけり
 睡蓮や刃となりて天を突く
 

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