蜘蛛

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俳句

聞き流す 妻の繰り言 夜の蜘蛛

大蜘蛛に 父の威厳を 示しけり

潮騒の 島の杣道 蜘蛛の糸

蜘蛛の囲や 路地より低き 島の家

蜘蛛の囲や 島には島の 暮らしあり
 
我の名も 忘れし母や 夜の蜘蛛

異様なる 殺気たじろぐ 夜の蜘蛛

姿見に 迫る老ひの瀬 夜の蜘蛛

同じ場所 巡る思案や 夜の蜘蛛

潮騒の 径に野地蔵 蜘蛛の糸

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話



 蜘蛛は夏の季語です。

 昔の家には大きな蜘蛛がよく出ました。
私は蜘蛛が大の苦手で、人一倍特に神経質でした(^_^;)。
 蜘蛛がそこにいると思うと、トイレに行けなくなったり、
寝ることができませんでした。
蜘蛛がじっと動かないのも不気味で嫌でしたが、
それ以上に知らぬ間にどこかへ行ってしまうと、いつ出てくるのかと
そのことばかり考えて不安になりました。

 5月の連休の後に日間賀島と篠島へ行ってきました。
名鉄ハイキングなどではなく、自主的なハイキングです(*^_^*)。

 篠島には島を巡る遊歩道があり、
そこには島弘法(八十八体の地蔵)が置かれており、
潮騒を遠く近くに聞きながら島を巡りました。

 潮騒の 島の杣道 蜘蛛の糸
 蜘蛛の囲や 路地より低き 島の家
(蜘蛛の巣は蜘蛛の囲とも言います。)
 潮騒の 径に野地蔵 蜘蛛の糸

 島の中だけで完結する生活を送るとは
どのような感じのものなのでしょうか?
就職とか結婚とか何かのきっかけで島を出ない限りは
ずっと一緒の人間関係が続くわけで、その濃密な人のつながりは
息が詰まると思います。
いやそうではないそれが人の情とか絆を感じさせると思う人もいるかもしれません。
はたして、島の若者はどう思っているのでしょうか?

 

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