11月2日(土)の栄句会の季語は<秋祭>でした。
俳句では、<祭り>は夏の季語です。
そのため、秋の祭は<秋祭>とことわる必要があります。
俳句は2月〜4月までが春、5月〜7月までが夏、
8月〜10月までが秋、11月〜1月までが冬となっています。
ではどうして<祭り>は夏の季語なのでしょうか?
自分なりに考えてみました。
私が生まれて育ったのは蒲郡です。
そこのお祭りが9月だったので、
私の中では、<祭り=秋>のイメージが強くありました。
また、今住んでいる半田市は春が祭りですから、
なかなか夏のイメージが湧いてきません。
日本の三大祭りについては
京都の祇園祭、大阪の天神祭、東京の神田祭だそうです。
そして、その開催期間が、ほぼ5月から7月にかけてで
あったので、そこらあたりから、祭りは夏の季語になったのかな?と
考えました(*^_^*)。
俳句の季語である<秋祭り>は、
豊作を感謝する収穫祭です。
村の伝統に沿ったお祭りで、
村祭りとか里祭りの雰囲気が漂っています。
秋祭 日がな厨に 母の声
私の子供の頃のお祭りは一大行事で、
親戚を呼んだり、呼ばれたりと
年に一度の重要な親戚づきあいの日でした。
祭のごちそうと言えば、手作りの巻き寿司や稲荷寿司が中心で、
そこに刺身とか渡り蟹(蒲郡市は海が近いので)とか
煮付けとかが添えられました。
その準備や宴会の手配で、母は一日中台所にいて、
忙しく立ち働き、最も忙しい日でした。
とても、お祭りを楽しむ暇などありません。
前日に美容院に行ってきれいに髪をセットし、それをあねさんかぶりで隠し、
着物の上に白い割烹着をつけていました。
句に出てくる母は、この時の若い母をイメージしています。
村に生(い)く 術(すべ)も伝へし 秋祭
稚児舞に 始まり終わる 秋祭
横笛の 少年一途 秋祭
しきたりの かくて繋がる 秋祭
子供の頃、祭りの前になると
子供会に集合がかかり、祭りの準備
(笛や太鼓、舞い練習など)をしました。
祭りは笛や舞いの伝統技能の継承だけでなく、
それを通じて上下の関係や村のしきたりを教え、
村で生きていく方法(術)まで伝えている気がします。
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