三伏

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俳句


百年を 見据ゑ酢倉の 初伏かな

ビール腹 僧衣に隠す 初伏かな

三伏の 三州瓦 地震(ない)の地へ

三伏の 走れ鍛へよ 消防士

南吉の 百年祭の 街初伏

開館を 微積解きつつ 待つ初伏

鎖引き 影から影へと 犬初伏

三伏の 祝詞短き 地鎮祭

三伏の へたれ向日葵 頭垂る

海凪て 風待つ舟の 初伏かな
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話

 
 三伏(さんぷく)という言葉、皆さんはご存じでしょうか?
私は初めて聞きました。
俳句をやっていなければ、
一生知らずにいた言葉かも知れません(*^_^*)。

 三伏とは、陰陽五行説に基づくもので、
初伏、中伏、末伏を総称したものです。
時期的には7月中旬から8月上旬の猛暑の頃なので、
手紙の前文に「三伏の候」と書くなど、
酷暑の時期を表す言葉として、使われています。

 半田は蔵の町で、山車蔵、酒蔵、醤油倉、酢倉などがあります。
特に有名なのが酢倉で、半田はミツカン酢の発祥の地、
黒板壁の酢倉が半田運河が沿いに、並んでいます。

 この辺りは歴史を感じられて、
散歩をするには最適の場所で、
私の愛用している散歩ルートでもあります(*^_^*)。
博物館「酢の里」もあり、一般開放もしているので、
行ったことがある方も多いと思います。

 その酢倉を今大改修しています。
耐震補強が一番の目的だと思いますが、
外壁が取り払われ、木造の骨組みが露わになっています。
この工事は、今までの百年、
そしてこれから先の百年の酢倉を見据えたものです。

 百年を 見据ゑ酢倉の 初伏かな

 今年の盆参りに家に来た和尚は
去年より太り、段々と父親の和尚に似てきました。
お経をあげている和尚を後ろから見ながら、
そんなことを考えていました。

 僧衣(夏用の薄くて透けるもの)のふくらみから
肉付きが想像でき、正座する足の痛さを
しばし忘れさせてくれました。

 ビール腹 僧衣に隠す 初伏かな

 碧南市、高浜市は三州と言われ、
瓦の一大産地(シェアー65%)です。
至る所に瓦の製造会社があり、敷地に瓦が整然と積まれています。
いぜん、東北大震災の時、屋根瓦が不足して、
瓦の増産のニュースがありました。

 そんなことを思いながら、
大型の車で出荷される瓦を見ていると、
ひょっとするとこの瓦は東北へ
運ばれていくのではないかと思えてきます。

 三伏の 三州瓦 地震(ない)の地へ

 犬も賢いもので、夏を生き抜く術を知っています(*^_^*)。
猛暑の時は、穴を掘ってそこに寝ています。
また、太陽の動きに合わせて、できる影を追いかけ、
そこで寝ています。
きっと鎖はじゃまなんでしょうね。
ただ、我が家の老犬は、目が見えにくく、耳も遠くなったのが哀れです。

 鎖引き 影から影へと 犬初伏

 今年は新美南吉の生誕100年目ということで、
半田は市をあげて、盛り上げようとしています。
新美南吉は、「ごん狐」が1965年
小学校の教科書に採用されてから、
徐々に認知度が上がってきました。
半田では、「東の賢治、西の南吉」で売り出していますが、
まだまだですね。

 南吉の 百年祭の 街初伏


 

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