春めく

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俳句


春めくや 路地に満ちゐる 溜まりの香

春めくや 奉書真白き 巫女の髪

春めくや 蕾に確(しか)と 花の色

バラ窓の 光春めく ミサ終へて

利き酒の 仄(ほの)かに甘し 春めきて
 

春めくや 由(よし)説く巫女の 紅淡し

春めくや モカの酸味と ビバルディー

春めきて 下戸も上戸(じようご)も 酒蔵へ

花色の 蕾春めく 行幸地

伊勢講の 法被揃ひて 春めきぬ
 

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 2月15日(土)の栄句会の季語は<春めく>でした。

 季語の<春めく>は、
立春を過ぎてしだいに春らしくなって来ることですが、
まだ本格的な春には遠く、ようやく厳しい冬が終わり、
どことなく春の雰囲気が感じられることです。

 寒いのは嫌ですね、体ばかりでなく心まで縮んでしまいます。
春が待ち遠しいのは、年と共に感じますが、
特に今年は待ち遠しいですね(*^_^*)。

 半田市の雁宿公園は、
明治天皇の行幸を記念して作られたもので、
桜の名所として有名です。

 そこは、一面に淡いピンクの靄がかかっているようです。
まだ堅い桜の蕾ですが、
すでに桜の色を透かせて見せているからです。

 春めくや 蕾に確(しか)と 花の色
 花色に 蕾春めく 行幸地

 春めくや 奉書真白き 巫女の髪
 
 奉書とは、奉書紙のことで、しわがなくて純白で上質な和紙です。
伊勢神宮などの由緒正しき巫女さんが、
長い髪を後ろに束ねる時に、奉書紙を巻いて留めています。

 バラ窓の 光春めく ミサ終へて

 バラ窓とは、ゴシック教会建築の、
バラの花のような形でステンドグラスで作られた円形の窓のことです。

 春めくや 路地に老舗の 煎餅屋

 半田に紺屋海道という地名の場所があり、
そこの路地はなかなかの風情があります。
寺の白壁から路地を見ると、麻の長いのれんが風に揺れています。
そこは老舗の煎餅屋で、路地にはその煎餅の
溜まり醤油の香りが漂っています。

 利き酒の 仄かに甘し 春めきて
 春めきて 下戸も上戸も 酒蔵へ

 常滑にある澤田酒造白老は、毎年2月28日と3月1日の両日に、
蔵開きをします。
入口で500円払うと、原酒の試飲と利き酒が楽しめ、
おまけにお土産として、常滑焼きのお猪口をもらえます。

 私は2回程いきました。
酒蔵の見学もできるので、いつも大変な盛況で、
特に利き酒のコーナーは人でごった返し、
身動きができないほどです。

 私は日本酒も好きですが、
味の違いがわかるほどではないのですが、
うまい酒かまずい酒か位はわかります。

 日本酒には甘口と辛口がありますが、
春は少し甘口の方がいいですね。


 

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