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俳句


春霞 不安一分に 期待二分

春霞 幸の極みや 嬰児笑みて

嬰児笑みて 三千世界 霞立つ

花色に 霞む殉難 学徒の碑

霞立つ 湾に数多の 筏かな

 

バス客を 飲み干す築地 春霞

パレットに 霞む春色 作りけり

廃線の 鉄路の果てや 霞立つ

春霞 白壁続く 寺の路地

知らぬ子と 交わす挨拶 春霞
 

 

季語について


 

 

俳句にまつわる話


 春は、新学期、新年度と今までと急に状況が変わることもあります。
私は退職して4年目で今は再任用として働いていますが、
職場も変わらず平穏無事に年度をまたいでいましたが、
今年は大きな変化がありました。
変化は楽しみであると同時に、不安でもあります。

 不安があるから人は努力をし、なんとか不安を拭おうとします。
それが向上心に繋がるし、ぼけ防止にもなります。
まあ、それはある程度危機を乗り越え、何とかやっていける
という状況になってから言えることですが……(*^_^*)。

 春霞 不安一分に 期待二分

 不安より、期待の勝る新年度でありますようにとの
祈りを込めて作った句です。
春は新しい出会いとか、すばらしいことが
何か起こりそうな気持ちにさせてくれる季節です。

 嬰児笑みて 三千世界 霞立つ

 桜の蕾がまだ硬かった頃の雁宿公園
(半田の桜の名所)を、霞の句を作るために訪れました。
暖かい日だったので、若い夫婦がベビーカーに
赤ちゃんをつれて散歩をしている姿が目に付きました。

 赤ちゃんを中心にして、
ベンチに座ってお弁当を食べている姿は
幸せを絵に描いたようなものでした。
赤ちゃんさえ笑えば、すべては幸せになる、
赤ちゃんは万能薬です。
私にも孫ができましたが、
こちらに来たときには、すべては赤ちゃん中心に回っています(*^_^*)。

 知らぬ子と 交わす挨拶 春霞

 以前長久手の古戦場に吟行に行った時のことです。
小学校の低学年くらいの女の子とすれ違った時に
「こんにちは」元気に挨拶をされました。
予想をしていなかったので、ちょっとびっくりしましたが、
うれしくなって、明るく元気に「こんにちは」と返すことができました。
学校でそういう指導がされているのか?
それとも家庭のしつけなのか?
地域性なのか?わかりませんが、
とても良い気持にさせていただきました。
まさに、春霞のようなほんわかとした気分になりました。

 

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