水澄む
俳句 |
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水澄みて 女車掌の 七分袖 水澄みて 茅葺き屋根の 苔清(すが)し 水澄みて 地野菜変わる 無人店 水澄むや 女手形の 草書文字 水澄むや 小さき母似の 旗振り女 |
水澄みて 球児の頭 青々と 水澄みて 伊根の舟屋に 舫舟 橋立の 神籤は吉や 水澄みぬ 水澄みて 庭に薪積む 木曽の村 水澄みて 熊除け鈴の 音軽(かろ)し |
季語について |
俳句にまつわる話 |
水澄むは、秋の季語です。 秋は大気が澄み渡るので、水も澄んできて、清々しさを感じます。 水澄みて 女車掌の 七分袖 バスツアーで大井川鉄道のSLに乗った時に体験です。 SLの車内は昭和レトロの雰囲気に満ちていました。 車掌さんは女性でしたが、 私が子供の頃の国鉄には女性の車掌さんはいませんでした。 でも、路線バスの車掌さんは女性だったので、 きっとバスは、バスガイドつながりがあったためなんでしょう。 半袖から長袖へ、その中間の七分袖が 水澄みて、秋が徐々に深まっていく過程と よく合っていると思って詠みました。 水澄みて 地野菜変わる 無人店 無人店とは、ハイキングなどで田舎にいくと 掘っ建て小屋の中に、地の野菜などが置かれ 値段が書いてあって、買う人はそこへお金を置いていくという店のことです。 これは日本ならではのもので、外国では絶対にありえないそうです。 田舎の人の情の細やかさがよく現れていて私は好きです。 秋が深まっていくとと共に、無人店に置かれる 地の野菜の種類が変わっていく、 そこに季節の移ろいを感じます。 水澄むや 小さく母似の 旗振り女 道路工事などの時に交通整理をする人は、男の人がほとんどですが、 中には女性もいます。 小さくて母親に似ている人が旗を振って 交通整理をしていると、 母のことを思い出し、あわれを感じます。 母には楽をさせてあげたい (決してなにもしないでぼーとしていることが 幸せだとは思わないけど……) 息子として年とって働く母の姿はつらいものがあります。 神籤引く 天の橋立 水澄みぬ 天の橋立の神社でおみくじを引きました。 そこは、扇の姿をした神籤で、小さい扇の中に運勢が書いてありました。 普通の神籤よりお金がかかりますが、 お土産にもなるので、枝につるしている人もありましたが、 私は持って帰りました。 |