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俳句


手を広ぐ 希望の像に 朝の虹

パンドラの 箱に希望や 虹立ちぬ

南吉の 遠くに虹を 見て逝きぬ

母の住む 黄泉の国へと 虹の橋

淡き虹 恋する神の 御業(みわざ)かな
 

夕虹や 下駄に明日を 占ひぬ

万事佳し 天に虹立ち 嬰太る

虹立つや 性善説と 我はあり

ほどの良き 一日の疲れ 夕の虹

立山の 男滝(おだき)に虹の 一会かな

 

季語について

 

 

俳句にまつわる話


 私が虹から受けるイメージは、<希望><明るい未来><ポジティブ>などです。

 パンドラの 箱に希望や 虹立ちぬ

 ギリシャ神話の「パンドラの箱」にかけた俳句です。
「パンドラの箱」には諸説ありますが、
私が一番好きなのは、次のようなものです。

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 パンドラは神の作った最初の女性です。
パンドラが天上から地上に降りた時に、
ありとあらゆる悪の詰まった箱を持ってきました。

 だたそれは、モーゼから決して開けてはならないと厳命されたものでした。
しかし、その箱が開けられてしまい、ありとあらゆる悪がこの世に飛び出しますが、
<予見>という箱(将来が見える)のみ開けられませんでした。
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 人間にとって最も大事なこと、それは先がわからないことです。
未来を予知する能力がないから希望が生まれます。
先が分かったら、夢も希望もないですからね。
人間は必ず死にますが、いつ死ぬかはわからないため
その時まで頑張って生きていくことができます。


 南吉の 遠くに虹を 見て逝きぬ

 南吉は29歳という若さでこの世を去りました。
童話作家として明るい未来が見えかかった時のことで、
生きていたら
もっとすばらしい作品が書けたのにとの、
悔しい思いで一杯であったと想像しています。

 ほどの良き 一日の疲れ 夕の虹

 忙しい一日が終わった後は、体は疲れているのに、
充実感で心は高揚し、幸せな気分に浸ることができます。
そえを夕方の虹がねぎらってくれているようです。
そんな時はビールでも飲んで、
誰彼となく話がしたくなります(*^_^*)。

 立山の 男滝(おだき)に虹の 一会かな

 立山の称名滝、この滝の迫力にはぶったまげました。
(称名滝は、350 mという日本一の落差を誇る四段構成の滝です。)

 滝は、滝の上に水が現れてはまた落ちるということを
無限に繰り返します。
でも、そのことは決して同じことの繰り返しではなく、
一期一会の世界です。
ましてそこに虹が架かっていれば……。
 

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