福引
俳句 |
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福引の 賞にルンバの ある時勢 福引に 駄菓子欲しがる 子の無邪気 鈴鳴つて 期待膨らむ 福引会 福引や 今日は賑はふ アーケード 福引や 今年の運を 占ひぬ |
福引の 待つ間長きは 至福かな 福引や 戦果駄菓子と ティッシュのみ 福引の 賞品表の 手書きかな 福引に 身の丈ほどの 賞を受く いきなりの 一等に沸く 福引会 |
季語について |
俳句にまつわる話 |
福引きのイメージは新年よりも、年末のイメージが強く、 年末商店街大売り出しの中の福引き会を思い描いてしまいます。 最近はあまり福引きをした経験がないので、 子供の頃や今まで生きて来た経験をもとにして 福引き風景の句を作ってみました。 福引は、もともとは正月遊びで、 二人で餅を引き合って取った餅の多少によって その年の禍福を占いました。 でも現在では、くじを引いて豪華な景品をあてるという、 客寄せの催し物として通っています。 福引きは新年の季語ですが、 やはり年末のイメージが強いため、 福引きの句に新年を感じられようにすることが大切だと 俳句の本には書いてあります。 しかし、このことは口で言うほど簡単なことではなく、 作ってみて難しいものだと感じました。 果たして、私の句から新年の福引きを感じていただけるでしょうか? 福引きの景品も時代と共に変わってきます。 自転車、テレビ、冷蔵庫、海外旅行など、 その時代の先端をいきもの、 消費者に欲しいと思わせる商品を並べるものです。 最近では、防災グッツやスマホなどが時代を感じさせます。 福引の賞にルンバのある時勢 私などくじ運の悪い男は、ほとんど大きな賞に当たった記憶が ありませんが、皆さんの中には海外旅行や液晶テレビなどを 当てた運の強い方も見えるでしょう。 福引の戦果駄菓子とティッシュのみ 福引に身の丈ほどの賞を受く 福引や今年の運を占ひぬ 福引きに付き物なのは、がらがらと回し、 中から白い玉が出てくるもの、 あれは<ガラポン>というのだそうですが、 言い得て妙ですね。 それと賞が当たった時に高らかに鳴らす金の鈴。 鈴鳴つて期待膨らむ福引会 いきなりの一等に沸く福引会 なにごともそうですが、楽しい時が来るのを待っている間が 楽しいわけで、実際にその時がきてしまえば、 白黒がはっきりとついて、ほとんどががっかりの結果となるものです。 それと同じで福引きも長い列に並んで、まだかまだかと 待っている時が、一番わくわくどきどきし、至福の時です。 結果ははずれとほとんどわかっているのに……。 福引の待つ間長きは至福かな 3等くらいまでは良い賞品で、当たれば欲しいのですが、 それ以後になると、上位の賞のものより、 下位の賞のものの方が欲しいものがあり、 当たってがっかりということもあります。 人間って欲張りですね。 福引きに駄菓子欲しがる子の無邪気 |