沈丁花
俳句 |
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初恋の セピアとなりぬ 沈丁花 沈丁花 麗しき季の 始まりぬ 肩車 されてはしゃぐ子 沈丁花 沈丁花 庭に人柄 偲ばるる 沈丁花 古墳を町の 誉れとす |
初恋の 人の面影 沈丁花 沈丁花 百年続く 醤油倉 フルートの おませな少女 沈丁花 七十路の 母の演舞や 沈丁花 沈丁花 蕉風香る 結びの地 |
季語について |
俳句にまつわる話 |
できるだけ実物を見て俳句を作りたいと思い、 沈丁花を探しましたが、見つけることができませんでした。 というより、探す時期が遅すぎたのでしょう。 沈丁花の花が咲く時期は、3月の上旬とのことで、 この花が咲くことで春の訪れを知る、 いわば春の先駆けとなるようなの花のようです。 しかたないのでネットで花を検索して見ると、 自分では気づかずに見ていた花だと気づきました。 花をよく知る人に聞くと、 昔はどの家でも普通に咲いていたが、 最近はなくなったそうです。 でも、今でも旧家ならあるのではとのことでした。 ユーミンに「春よ、来い」の中に沈丁花が歌われていますし、 石川さゆりにも「沈丁花」の歌があります。 そんな歌も聞きながら、沈丁花の花のイメージを作って行きました。 @ 春の先駆けとなる花である。 A 控えめな花で、失恋が似合う花である。 B 三大香木(沈丁花、クチナシ、金木犀)の一つで、良い香りがする。 沈丁花 麗しき季の 始まりぬ 私の初恋は、小学校の5、6年生と中学校の2、3年生で 同級生だった、小柄で頭の良い人でした。 あの当時は名前を呼ぶことはもちろんのこと、 その名前を聞いただけで、顔が赤くなりました。 初恋も半世紀を過ぎれば、 ふわふわしたパステル画のような雰囲気から、 今は、落ちついたセピアに変わってしまいました。 甘ズッパイ気分や胸の痛みは完全になくなり、 遠くてなつかしい思いだけになってしまいました。 初恋の セピアとなりぬ 沈丁花 初恋の 人の面影 沈丁花 初恋を 告げし後悔 沈丁花 初恋は叶わぬものだから、 告白はしない方が良いと言われます。 確かにそんな気もしますが、 私は我慢ができなくて、告白をしました。 それは告白をせずに、もやもやした気分では 前に進めないと思い、踏ん切りをつけるために告白をしました。 果たしてそれが良かったかどうか? 人生はやり直すことができないので、 それを確かめるすべがありません。 名鉄ハイキング等では、花に癒されることが多々あります。 最近では、他人から見られることを前提に花を植えたり、 庭を造っている家があります。 手入れのいい庭、個性的な庭には、 そこに住む人の人柄が感じられるものです。 沈丁花 庭に人柄 偲ばれぬ 小さな何の取りもない町、 唯一名所と言えば小さな古墳塚があるのみ、 そんな名もなき町に沈丁花は合います。 沈丁花 古墳を町の 誉れとす 太田川で、高校生(東海商業と東海南の合同演奏会) の吹奏楽の演奏会を鑑賞しました。 高校の1、2年生でしたが、 この年頃の少女は(少女と言っていいのか?) ピンからキリまで、おぼこい子もいれば、 中には大人びて清純な色気を感じる子もいます。 それを十分意識しているところが、可愛いですね。 フルートの おませな少女 沈丁花 木琴に 華やぐマーチ 沈丁花 シンバルの 一打華やぐ 沈丁花 |