日々の思い

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<h16.11.5>

笑の大学を見ました。

  まるで小劇場で芝居を見ているような感じがしました。堅物で笑ったことがないという、検閲官(役所広司)と<笑の大学>の座付き作家(稲垣吾郎)2人芝居のような。

  時は昭和15年。軍国主義が日本中を席巻し、暗くて息苦しい時代。そんな時代だからこそ、浅草の芝居小屋に笑いを求めにくる民衆は多い。その民衆の生きる支えである喜劇を時勢だからと、上演禁止しようとする検閲官と、それを何とか阻止しようとする脚本家とのやりとりを描く。

  喜劇で人を笑わせるパターンとして、<パロディー><言葉の繰り返し><意外性><ギャグ>等があるが、最終的には脚本家の笑いのセンスが問われる。この映画の脚本を書いた三谷幸喜はそのことを言いたかったのかもしれません。そして、彼こそそのセンスに恵まれた人です。

  センスの良いお笑い、上品なお笑いという感じです。日本の喜劇=ドタバタというイメージ(私だけかもしれませんが……)を覆してくれた上質な喜劇です。三谷幸喜は人物的にも個性があって面白いですが、彼の書く作品は笑いのセンスにあふれています。

 

 

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