日々の思い

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<h16.12.13>

純愛について

  <純愛>と言えば、今年<世界の中心で愛をさけぶ>が大ベストセラーになりました。普段、純愛小説は読まない私でも読むくらいですから、その影響力は凄いものです。映画、ドラマも当たりましたから、<せかちゅう>は社会現象と言っても良いでしょう。実物とのギャップが烈しいのは承知の上です(笑)。

 中学2年から高校2年までの、同級生である朔太郎とアキの恋愛。幼いけど、相手を思う気持ちは誰にも負けない。そういえば、自分もあの頃は、純粋に人を愛し、その人がいれば後は何もいらない、そんな純な気持ちでした。なつかしい青春時代を思い出させてくれた作品でした。本当に好きな二人が、それも若い二人が、相手の死によって引き離されて行く、その辛さが読む者の涙を誘う。私もつい涙をこぼしてしましました。また、彼女が死んだことの実感がつかめず、その間の精神的な葛藤、死後の世界観、死を受け入れるまでの経過が愛の深さを実感させます。悲しくて辛い物語だったけど、最後の章があって救われました。人はどんなに深い悲しみでも、時間という良薬によって癒される、そんな証明みたいなラストでした。心の中では永遠に残っても、現実の生活では他の人を愛し結婚をしていく、人間とは強い生き物です。

 <韓流ブーム>

 冬ソナが今年の話題をさらい、<ヨン様>が流行語大賞をとりました。ビデオ好きな私はレンタルに行くたびに、冬ソナを借りようとするのですが、いつ行っても貸し出し中。でも、最近ようやく借りられるようになりました。レンタルの韓国ブースには所狭しと、韓国ドラマが並んでいます。そして、貸し出し中の札が一杯。今だ、ブーム衰えずといった感じです。

 ブームの中心は中高年の女性です。彼女たちが純愛を求めているわけです。今の中高年とは私と同じ世代、団塊の世代です。日本全体の貧しさを知っていて、豊かさを求め、高度成長に夢を託し、がむしゃらに働いてきました。そして、豊かになったけど、なぜか心が寂しい。何か違うのでは?日本の良きものを忘れてきたのでは?人間は物質だけでは、幸せになれない(お金がないのも困るけど……)。お金に変えられない精神的なものを求めている。その一つが純愛ではないかな?

 韓国ドラマの<秋の童話>を見ていて、はっと気がついてことがあります。主人公の可愛そうな少女(ウンソ)の実母の店の前が舗装されていない道で、水たまりができていました。その光景から、自分の子供の頃を思い出し、なつかしく思いました。

 韓国ドラマは、日本の古き良き時代(良いものばかりではなかったけど、過ぎてしまうと、良いことしか思い出されない)を感じさせてくれます。景色だけでなく、人情や純愛もそうです。日本人の忘れてしまったものを思い出させてくれます。

 日本も30年くらい前には、同じような純愛ドラマが主流でしたが、だんだん世の中の変化と共に、複雑でどろどろしたものになってきました。見る側の趣向に合わせて作る側がストーリーを変えてきたのでしょう。今韓国がそういう時代(日本の成長の時代と同じ)だと思います。

 

 

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