日々の思い

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<h16.12.27>

ターミナルを見てきました。

  昨日の夜に、トムハンクス主演「ターミナル」を見てきました。映画は見る人によって評価が分かれるものそして、その時の気分や状況にも左右されるものそれを承知で言いますが、私的には最高ランクの評価で、今年一番の作品だと思います。

 ネタバレにならないように注意をして書きましたが、もし、そうなったとしたら許してください。 近々、この映画を見ようと思っている方は、見てから読んでもらった方が良いと思います。

 笑えて、ジーンとさせて、最後に生きる希望を与えてくれる、そんな映画でした。 スピルバーグはサービス精神旺盛な監督。どうすれば映画が面白く楽しいものになるか熟知している。観客が、こうしてなってほしいと思うとおりに進み、最後は大ハッピーエンド。

 とにかくトムハンクスがうまい。彼のはまり役だと思う。素朴で、ドジだけど明るく笑える、そして、真面目で憎めないキャラクター。そんな彼の持っている個性が主人公のナボルスキーにぴったしはまっている。

 グラジリヤという東欧の国。かつて共産国で今は自由主義国家。その国の不満分子(軍部)が、大統領を人質にしてクーデターを起こす。アメリカはそんな国は承認しません。よって、国交がない国だから、パスポートが無効になり、JFK空港に着いたナボルスキーは、アメリカに入国することも、国に帰国することもできなくなります。空港のロビーから外へ出られない軟禁状態。現代の法の落とし穴に落ちたわけです。でも、本当にそんなことがあるんでしょうか?映画だけのフィクションか、現実にある得る話か?グラジリヤ到着したのが、彼だけというのもおかしな話です。でもまあ、映画だから良しとしましょう(笑)。

 努力と逆境に強い彼は、すさまじい生命力を見せます。これは見ていて痛快で、心が晴れます。喜劇みたいに笑わせてやろうという姿勢ではなく、彼のとった行動が、奇想天外で、思わずほほえんでしまいます。そして、次第に彼は空港に働く人々に信頼され、共感を得て行きます。英語を学び、友達を作り、仕事を見つけ、最後は素敵な恋人まで。それも、全て空港の中で……。 彼の恋人がアメリア(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ 映画シカゴで助演女優賞を受賞)で、国際線のスッチー。39歳のどうしようもない男ばかりを好きになる役所。でも、最高に素敵な女性、私の大好きなタイプ、彼女を見ただけでもこの映画の価値はありました。

 彼が空港の中で、自分の居場所を開拓していく姿は<キャスト・アウェイ>で孤島に漂流し、生き抜いて行く姿とダブって見えました。 また、なぜか新潟地震で学校の体育館などに非難して生活している人達をも連想させました。不自由だけど、あきらめて愚痴ばかり言っていても仕方がない、誰もしてくれないから、自分の手で住めるようにして行くしかない。そんな、たくましい「生きる力」を見たきがします。

 人生とは待つことである。常に何か大事なものを待ってる。それがこの映画の主題だったと思います。ナボルスキーは約束を果たすために空港で待っている。恋人のアメリアは、自分だけを心から愛してくれる人を待っている。どんな約束だったか、それがここで言えないのが悔しい。でも、胸がジーンと熱くなるような素敵な約束です。愛すべきナボルスキーは、自分を犠牲にしてでも彼の約束を果たしてあげたいと思わせる人物。だからこそ、みんなの協力でハッピーエンド。