日々の思い

日々の思いの目次へ 

 

<h17.1.12>

女性の魅力 犬養道子 バカの壁

 女性の魅力について、最近考え方が変わったという話は以前しました。繰り返しになってしまいますが、もう一度言わせてください。肌の艶や潤い、きめの細やかさなどは十代の女性にはかないません。でも、私は十代の若い女性と話しても、そんなに魅力は感じません。(もちろん個人差がありますから、一般的にと断っておきます)

 なぜでしょうか?それは、内面的な美しさないからです。内面の充実、それは、教養であり経験です。

 とくに、経験は書物上の知識では得られない真の知恵を与えてくれます。(知識と知恵の違い。人は、書物から知識を学び、人生から知恵を学ぶ。)だから、豊かに年を重ねた女性は美しいと思います。年と共に美しくなる。

 こんなふうに素敵に年を重ねてきた女性の代表として<犬養道子>さんを紹介します。

 一昨年の大ベストセラーに「バカの壁」がありました。著者は、解剖学者で脳科学者の養老猛司氏で250万部売れたそうです。「バカの壁とは、自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまう壁のこと。だから、<話せばわかる>は大嘘だとか」イラク戦争やテロがなぜ起こるのか?が書かれていました。

 一昨年の大晦日の深夜、NHKの「行く年来る年」の後に、この養老猛司氏と、犬養道子氏との対談番組が放送されていました。犬養道子氏は今年80歳で、5.15事件で暗殺された、犬養毅首相の孫にあたる方です。犬養首相が暗殺される前に、若い青年将校に「話せばわかる」と言ったことは有名で、先ほどのバカの壁の<話せばわかるは大嘘>との関連性で二人の対談が組まれたものと、私は解釈しました。それと、彼女が最近では難民問題に取り組んで、世界各地の戦争やテロの悲惨さを経験していることも、二人の議論の噛み合わせに良かったのでしょう。

 それにしても、彼女の存在感は凄いですね。80歳にはとても見えません。だからといって、30代や40代に見えるわけではないけど、そんなことは度外視して魅力的でした。しわに刻まれた智慧の深さ、素敵に年を重ねてきた、そんな感じを受けました。彼女の経歴からすると、人のために充実した人生を送ってきたからでしょう。

 この対談、彼女の独壇場でした。彼女の話す、難民キャンプの話は生々しくて、ど迫力がありました。作り物ではない体験の強さです。そんなわけで、養老氏はすっかりかすんでしまいました。時の人をかすませてしまうのですから、たいした人です(笑)。

<理論より体験の重さ>を知っている我々の心を引きつけて放しません。

 

 

上に戻る