日々の思い

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<h17.2.10>

恋物語<津軽海峡冬景色編その2>

 この年になってつくづく人との出会いの不思議さを感じます。

 私は灰谷健次郎が大好きで、「天の瞳」も読みましたが、その本の幼年編Tに<出会いの不思議>について書かれた部分があり、私のお気に入りですから紹介します。

 雑草の生えた草むらに行くと、服に一杯草の実が付くことがあります。まるで小さい虫のようです。この草を<くっつき草>といい、この実のことを<くっつき虫>と言います。

 この小説の主人公の倫太郎(小学校1年生)とおじいちゃんの会話です。 「こんなちいさな草の実にも、心というもんはある。人や動物にくっついて旅をしよる。倫太郎にくっついた草の実は、倫太郎の心と出合ったわけやな。草の実はいっぱいあるし、こどもはいっぱいいるのに、この草の実は倫太郎に出合うた」

 「なんで?」

「なんでか分からん。誰にも分からん。

分かってしもうたら人は出会いを大事にせんようになる。

それは神様だけがしっているのや」

 さしずめ私は彼女のスカートについたくっつき虫だったわけです(笑)。

 会社に入った最初の年の夏に、休暇がとれることになったので、当時仲の良かった男友達(同じサークルの仲間)とどこかに旅行したいねと話している内に、どちらともなく、北海道という話しになりました。そして、どうせ北海道に行くなら札幌に寄って、彼女と会おうということになったわけです。(ここら辺が運命の分かれ道、見えない赤い糸で、二人は結ばれていたのかもしれません。)

 旅行の日程は、行きは上野から寝台列車で青森駅へ、そこから青函連絡船(約3時間)に乗って、函館へ

 ♪上野発の夜行列車 おりたときから

青森駅は 雪の中

北へ帰る人の群れは 誰も無口で

海鳴りだけを 聞いている

私もひとり 連絡船に乗り

こごえそうなカモメ見つめ 泣いていました

ああ 津軽海峡・冬景色♪

 上野発の夜行寝台に乗って、青森駅に朝の7時につきました。季節は夏でしたから、雪はなかったけど、夏とは思えずひんやりとしていたので、自然と<津軽海峡冬景色>が口をついて出てきます。それから、3時間かかって青函連絡船で函館へ船の後ろにできる白い浪しぶきを見て、一人感慨にふけっていたことを覚えています。これから起きる運命の再会があることも知らずに……。 私のカラオケ18番が<津軽海峡冬景色>であることがわかっていただけたでしょうか(笑)?

 

 

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