日々の思い
<h17.4.29> |
ハインリッヒの法則 |
JRの事故はニュースを見るたびに死傷者の数が増えて、ついに106名電車事故史上第4位の悲惨な結果になりました。再び、この事故で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。 さて、しばらく前、筑紫哲也のニュース23を見ていたら、このJR事故に関連して、<ハインリッヒの法則>という聞き慣れない言葉が出てきました。興味深い内容だったので、皆さんに紹介します。 1931年、アメリカの保険会社で働いていたハインリッヒが約5万件もの労働災害事故を分析した結果、「1つの重大な事故の背景には、29個の軽微な事故と、300個の事故になる危険性を秘めた出来事が潜んでいる。 またこれらの事故・出来事の88%が不安全な行動により引き起こされ、10%が不安全な環境によって引き起こされている。」という法則を発見しました。これを「1:29:300の法則」と言います。つまり、死亡・重傷災害1件の裏には、29件の軽傷災害、300件の無傷害事故があるということを示しています。 今回は運転手の人災だとする声が高いです。前の駅で40mもオーバーランをした。車掌がブレーキを踏まなかった。二人で共謀して8mのオーバーランに虚偽の報告をした。以前にも、運転手はオーバーランをしていた。こういう事実を数えて行くと、この法則の凄さが見えてきます。36%のリストラで業績が飛躍的にアップしたそうです。安全よりも利益を優先する風潮がJR西日本のトップになかったか?それが社員に影響を与えていなかったか?この法則によれば、運転手のミスばかりでなく、社内的に細かなミスが無数にあった、その集合体が今回の悲惨な結果だった気がしてなりません。事が起きてからいろいろ原因を考えるのが日本的なこと、でも安全を仕事としているJRなどはそんな悠長なことを言ってはおられません。日頃の小さな緩みを再点検して、二度と事故が起きないようにして欲しいものです。 |