日々の思い

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<h17.7.26>

柳美里 家族シネマ 命

 kさんは、柳美里が好きなんですね、私は彼女の作品はそれほど読んでいないんですが、家族シネマは本を買って読みましたし、ビデオですが、映画も見ました。

 また、以前映画で「命」という作品がありましたが、さんは見られましたか?

 題名が示すように、彼女の「命」が2/3、後残りが「魂」「生」という彼女の作品から描かれていました。原作を読んでいたので、この映画が原作を非常に忠実に描いていることがわかりました。

 原作を読んで映画を見る。「模倣犯」がそうでした。この利点は映画を見るために必死で本を読むことができる。つまり、目標ができて励みになることと、原作と映画の違いを比較することができることです。

 模倣犯の時は、原作と大幅に違っていました。最もあの大作を2時間に納めるのですから、仕方ないと言えば言えますが、それ以上に監督の意志を感じました。原作と違った面白さを出したいという意欲が出ていました。それに対して、「命」は実に原作に忠実に、本の流れに沿って映画ができていました。きっと監督は原作の感動をそのまま映画でも伝えようとしたのだと思います。旬の素材を生かして、なるべく手を加えない料理のように‥‥。

 主演は柳美里役の江角マキコです。彼女はショムニのイメージが強いのですが、今回はちょっと違った女を演じてくれました。強くて弱い女でした。

 「家族のようなもの」これが柳美里のメインテーマだと私は思うのですがどうでしょうか?この映画でも、主人公の柳も、元夫で演出家の東(豊川悦司)も家族に恵まれず、家族の愛を知りません。でも、その二人が寄り添い、家族のようなものを作り上げ、愛を育んで行きます。この「命」には、他人(友達や知り合い)が柳や東を助けてくれます。どうしてそこまでやれるの?と不思議に感じますが、二人の人徳なんでしょう。家族以上に、「家族のようなもの」が強い絆で結ばれている、そんなことをこの映画で感じました。

 

 

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