日々の思い
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半田市の自慢と新美南吉記念館 |
半田市は、酒造りの街です。そもそも、ミツカン酢ができたのも、酒づくりの副産物なんです。酒粕から酢を創ることを考えた。それが江戸に運ばれ、鮨が生まれたと聞きました。今の回転寿司もルーツをたどると、半田市に帰ってくるわけです(笑)。そんなわけで、半田市は江戸時代から、酒と酢で繁栄し、それに関する蔵(黒板塀)があることから、蔵の街と地元では呼んでいます。 また、半田市は新美南吉の生まれた所でもあります。南吉は東の賢治、西の南吉と言われる(児童文学の世界ではそう言われることもあるそうです。)ほど有名な人です。代表作は<ごん狐>です。私は<おじいさんのランプ>や<手袋買いに>などが好きです。 新美南吉記念館は、半田市が市政55周年記念事業として、全国的レベルでの公開設計競技を行い、421点に上る多数の応募の中から選ばれたものです。斬新で岩滑(やなべ)の景観を配慮したこの記念館は、平成6年6月5日にオープンしました。 半田市が生んだ童話作家新美南吉は、29歳という短い人生の中で、「ごん狐」、「手袋を買いに」等、数多くの作品を残しました。この建物は、その南吉の世界を建築的にイメージしたものです。例えば『やさしさ』、特に子供や動物、弱者に対するやさしさは、6つの部分からなる建物を、見る者に威圧感を与えないように、なだらかな曲線で表現しています。また南吉の愛した『自然』は、そこに建物があることさえ気づかれないように、建物を半分地下に埋め、さらに屋根に芝生を植えることによって表現しています。さらに病気と闘いながら、不屈の精神力で創作活動を行った、南吉の内面的な『強さ』は、外壁に打放しコンクリートを使い、その素朴な力強い存在感で表現しています。 南吉の童話には彼岸花が出てきます。確か、ごん狐にも出てきたとおもいます(記憶が定かでない)そんなわけで、半田市の岩滑(やなべと読む)町では、南吉のゆかりの地と言うことで、地域の住民が何万本もの彼岸花の苗木を植えました。それが、今は実を結び観光の名所となっています。 南吉記念館のすぐ近くに、<黒牛の里>という焼肉の店があります。ここの焼肉ランチがお奨めです。ランチにしてはやや高め(2000円くらい)ですが、おいしい知多牛が他の焼肉屋とは、変わった味わい方で楽しめます。南吉記念館に行かれた時にはぜひ寄ってください。それから、彼岸花の矢勝川はそれはそれは見事です。秋になると一面真っ赤な絨毯をひきしめたような世界が楽しめます。秋に行かれるのも良いと思いますよ。 |