日々の思い
<h17.8.22> |
金子みすず展(2) |
あのドラマのみすず役は松たかこでした。私は、彼女の大ファンだから、よけいに 金子みすずが気に入ったのかもしれません。彼女の人生は悲しいものでしたが、ドラマの中で読まれる彼女の詩は、本当にやさしいものでした。あれほどの辛い目にあいながら、優しい詩を書けるのは、彼女の心がやさしいからでしょう。< 金子みすず>明治36年(1903年)、山口県長門市仙崎に生まれた童謡詩人です。二十歳の頃下関に移り住み、500編を超えるすぐれた童謡を残し、26歳の若さでこの世を去りました。 大正から昭和にかけて、わずか数年の間、彗星のようにあらわれて、きらめいて消えた、童謡詩人です。 彼女の最大の不幸は、実の弟(弟は実の姉であることを知らない)との道ならぬ恋、それをさけるために親が無理矢理進めた見合い結婚。その夫の不運で、貧乏のどん底に落ちます。でも、若いときからずっと書き続けてきた詩はあきらめません。詩には生活の暗さが感じられません。というよりも、それを吹き飛ばすように、明るく、やさしくなっていきます。最後は、夫から性病をうつされ死んでいきます。彼女の詩が認められたのはその後でした。
わたしはすきになりたいな、 何でもかんでもみいんな。
ねぎも、トマトも、おさかなも、 のこらずすきになりたいな。
うちのおかずは、みいんな、 かあさまがおつくりなったもの。
わたしはすきになりたいな、 だれでもかれでもみいんな。
お医者さんでも、からすでも、 のこらずすきになりたいな。
世界のものはみィんな、 神さまがおつくりなったもの。
幸せな青春時代はあったとしても、結婚後は不幸の連続。貧乏、夫の浮気、性病、早すぎる死と十分過ぎるほどの不幸だったのに、こんな詩が書ける。どうして? |