日々の思い

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<h17.8.23>

金子みすず展(3)


 私は彼女の詩が好きです。ごく普通のどうってこともない詩なんですがなんだか、心に浸みこんできます。

 

 わたしと小鳥とすずと

 

 わたしが両手をひろげても

 お空はちっともとべないが

 とべる小鳥はわたしのように

 地面をはやくは走れない。

 

 わたしがからだをゆすっても

 きれいな音はでないけど、

 あの鳴るすずはわたしのように

 たくさんうたは知らないよ。

 

 すずと、小鳥と、それからわたし、

 みんなちがって、みんないい。

 

 これは、人間の生き方、考え方を示した、ちょっと哲学的(彼女はそんな意識はないでしょうが……)な詩です。みんな人間は個性を持って生きている。誰々と比較して、自分は劣っているとか、誰かよりは自分はましであるとかんがえるのではなく、みんな違うけど、それぞれに価値がある。だから、人を比較してはいけないよと教えてくれているようです。

 

 

 

 こッつん こッつん

 ぶたれる土は

 よいはたけになって

 よい麦生むよ。

 

 朝からばんまで

 ふまれる土は

 よいみちになって

 車を通すよ。

 

 ぶたれぬ土は

 ふまれぬ土は

 いらない土か。

 

 いえいえそれは

 名のない草の

 おやどをするよ。

 

 

 

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