日々の思い

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ゴッホ展に行って来ました。

 9月3日(土)は午後から俳句でした。そこで、いつもより早めに家を出て午前中に、愛知県美術館(栄、テレビ塔の近く)でゴッホ展を見てきました。入場料1400円也です。「ひまわり」の絵は展示が終了していて、見られませんでした。残念!!

 10時半頃に入ったのですが、結構な入りでゴッホの有名な絵の前には人だかりがしていました。その人数は時間と共に増えて行きましたが、見学に支障はなく、楽しく見ることができました。

 絵画には全く疎い私です。ゴッホと言えば、「ひまわり」「自画像」「糸杉」などの2〜3の有名な作品と、自分の耳を切ったこと、自殺をしたこと、天才画家であったこと。そんな程度の知識です。

 でも、せっかく高いお金を出して、ゴッホ展を見たのですから、これも何かの縁と、インターネットを使ってゴッホのことを少し調べてみました。

 彼は1853年にオランダに生まれました。彼の家は代々の牧師の家で、彼も牧師を目指します。でも、あまりに熱心な伝導活動が問題になって、伝道師の仮免許を停止されます。

 彼がどんな熱心な活動をしたかはわかりませんが彼の絵に対する集中力、打ち込み方を考えると想像できる気がします。そこで、27歳になった時に牧師はあきらめて画家を志します。ただ、宗教的な情熱が冷めたわけではなくて、宗教が目指す「生活に疲れた人々に慰めを与えるという」目的を画家になって、芸術で果たそうとしたわけです。

 ゴッホは後期印象派に属し、20世紀の絵画に影響を与えたと言われます。では、この印象派とは何なんでしょうか?絵画の流れを示すと ゴシック→ルネッサンス→バロック→ロココ→新古典主義→ロマン主義→写実主義(自然主義)→印象派・後期印象派→20世紀の絵画へとなります。

 写実主義(自然主義)とは、現実の自然や人間生活をありのままに描写しようとする考え方です。代表的な画家としてミレー(落ち穂拾い)がいます。

 印象派とは、光と影の色彩を主観的感覚でとらえて表現しようとする考え方です。代表的な画家として、モネ(睡蓮)やドガ(踊り子)、ルノワールがいます。

 後期印象派とは、光や色彩上の手法にとどまらず、主観的な表現を試みる考えかたです。代表的な画家として、セザンヌ、ゴーギャン(タヒチの女)、ゴッホなどがいます。

 私は素人ながら、印象派の絵は淡い色調の絵が多いような気がしました。

 展示されていたゴッホの絵の中では、<夜のカフェテラス>(これは、チケットに印刷されていました)が一番好きです。 暗い夜を黒だけで、表現せずに色彩豊かに描き、光への憧れ、暗い時代からの脱出を幻想的に描いていました。

 また、自画像は、印象派の特徴である絵の具を混ぜない手法から、筆をたくさん持っていた所が印象的でした。

 彼は、芸術家達の共同生活による、画家の理想郷を作りたいと願っていました。その呼びかけに応えた、ゴーギャンとの共同生活が始まったのですが二人の芸術に対する考え方の違いから、精神を病み、自分の耳たぶを切り落とします。そして、ゴーギャンが去った後、夢破れ自ら療養院へ入院します。そして、37歳の時にピストルで自殺をします。

 彼に影響を与えた浮世絵の展示がありました。私は絵に疎いので、ゴッホの絵が素晴らしいかどうかは理解できませんが浮世絵の良さはわかります。これが版画なんだから凄いとしかいいようがありません。

 浮世絵の大胆な構図と鮮やかな色彩が、印象派に大きな影響を与えました。このことは、高校の美術の時間に習った記憶があります。でも、彼が憧れていたのは、現実の日本ではなくて、人々が自然と調和して慎ましく生活をする国という彼自身のユートピア(理想郷)だったそうです。ゴッホの後期の作品は、どれも、荒々しいタッチ、そこに力強さを感じると同時に疲れました。

 最後にお土産コーナー。資料をはさむ、クリヤーファイル(一枚だけ挟めるもの)が650円にはまいりました。ゴッホの絵がプリントされているだけなのに……。

 

 

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