日々の思い
<h18.1.25> |
新川和江(1) |
そこに、新川和江の恋愛詩<ふゆのさくら>が紹介されていました。半年ばかり中日文化センターで<現代詩>の講義を受けていたのですが、そこで彼女の詩を教えていただきました。 ふゆのさくら 新川和江 おとことおんなが われなべにとじぶたしきにむすばれて つぎのひからはやぬかみそくさく なっていくのはいやなのです あなたがしゅろうのかねであるなら わたくしはそのひびきでありたい あなたがうたのひとふしであるなら わたくしはそのついくでありたい あなたがいっこのれもんであるなら わたくしはかがみのなかのれもん そのようにあなたとしずかにむかいあいたい たましいのせかいでは わたくしもあなたもえいえんのわらべで そうしたおままごともゆるされてあるでしょう しめったふとんのにおいのする まぶたのようにおもたくひさしのたれさがる ひとつやねのしたにすめないからといって なにをかなしむひつようがありましょう ごらんなさいだいりびなのように わたくしたちがならんですわったござのうえ そこだけあかるくくれなずんで たえまなくさくらのはなびらがちりかかる
この中の、<あなたがしゅろうのかねであるなら/わたくしはそのひびきでありたい>…。を取り上げ、<若い恋人らしい願いをそううたう▼恋人たちも一緒に暮らしだせば山あり谷ありで、夫婦という鐘の音は時に乱れもする。それを乗り越えて、二人ならではの鐘の音を響かせていくのだろう。>と続けています。 この<しゅろう>とは、鐘楼(しょうろう)で寺の鐘のことです。なかなか良い恋の歌だと思いませんか? |