日々の思い

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菜の花


 4月1日(土)は俳句の日で、今回の季語は<菜の花>でした。菜の花の呼び方に<花菜>があることを初めて知りました。これも俳句をやっている役得なんでしょう(笑)。

 この季語で俳句を作るために、菜の花をしっかり見てきました(笑)。部屋にいて、頭の中だけで句を作るのには限界があります。吟行といって、いろいろな場所に行くことで新鮮な気分になり、句もわいてきます。

 ということで、 少し前に、知多市にある、佐布里池(そうりいけ)に行って来ました。

 ここは梅の名所として有名ですが、残念ながら、梅はちょっと遅かったですね。その代わり、菜の花はそれはみごとでした。

 真っ青な空に、黄色い花と黄緑色の茎が鮮やかに冴えますね。

 そこで一句。

 菜の花や 梅に負けじと 佐布里池

 たくましく 野に咲く花菜 天を突く

 

 そのついでに、聚楽園の大仏を見てきました。駅からいつも見ていたのですが、近くで見たのは初めてです。とにかく大きいですね(笑)。

 真偽のほどはわかりませんが、奈良の大仏より大きいと聞きました。

 桜の木が何本かあり、咲けばみごとだと思います。桜ごしに見る、赤銅の大仏は絵にも句にもなると思いました。

 そこで一句。

 赤銅の 大仏ごしに 花菜咲く

 

 春は人事の季節。転勤をして行く人がいると思うと、逆に転入をしてくる人もある。私の部署にも、一人退職、一人転勤その代わりに、新卒一人、転入が一人ありました。

 そこで一句。

 花菜咲き 人去りて また人の来る

 喜びと 不安混じりて 花菜咲く

 菜の花の咲く頃は、卒業、合格、入社、転勤、引っ越しのシーズン。悲喜こもごもの人間模様です。

 そこで一句。

 菜の花や 都に住みし 子の帰る

 職決まり 休耕田に 花菜咲く

 

 私の親友の息子さんが現役で東大の文Vに合格しました。その合格祝いに、3人でお酒を飲んだのですが、奇しくも、彼の転勤も決まっていました。

 彼は人柄の良い、誰にでも好かれる人物です。細かい配慮ができる人だったから、それが災いして、長年いた所から3年前、転勤した後、鬱になりました。

 そこには変わった人、難しい職員がいて、それと合わず、強く転勤を希望していました。

 私などは、息子の東大合格で鬱などは吹っ飛んでしまうと思うのですが、そうもいかないみたいです。友として、この転勤で良き方向に向かうことを期待するばかりです。

 そこで一句。

 花菜咲き 良き転勤と 鬱の友

 

 50の手習いではないですが、「えんぴつで奥の細道」を買って、毎日少しずつやっています。目的は、毛筆の勉強のための<第一歩>です。何事も、踏み出すことが大事で、鉛筆で文字をなぞることが、どこまで毛筆の勉強につながるか疑問ですが、少なくとも、字を丁寧に綺麗に書くという姿勢は、共通していると思います。

 定年を控え、老後を充実してものにするために今から準備をしていかなければなりません。老後に何をするのかは人それぞれですが、自分にとって楽しく充実した気分にさせてくれるものにしたいですね。

 そこで一句。

 花菜咲き 見据えし老後 五十路立つ

 

 有森裕子の有名な言葉「自分を褒めてやりたい」。人に褒めてもらう程ではなくても、自分の中で今日は頑張ったね、という時はあるもの。そんな時、私は自分を自分で褒めて、自分にご褒美をあげていました。普段なら買えないもの買ったり、ちょっと豪華な食事をしたり……。それが、明日の頑張りにつながっていくような気がします。

 そこで一句。

 特別な こともなき夜の 花菜膳

 

 

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