日々の思い

日々の思いの目次へ 

 

<h19.8.28>

無駄そぎて 備えし老後 雲の峰

 常滑の句会のメンバーは
70〜80代の方が中心ですが
その中に素敵な句を作る老人がいます。
私の見たところ、80くらいでしょうか?

 その方の作った句
 盆提灯 消して一人の 夜となりぬ

 奥さんを亡くして、一人暮らしと言っていました。
この句には大切な人を亡くして
一人でいることの寂しさがものすごく良く出ています。
決して句の中で寂しいとか悲しいと言っていないことが
読む側に哀しさを感じさせるものです。
俳句は説明をしてはいけないと言われますが、
その良い例だと思いました。

 その方がこの句の紹介をした時に、
老人の一人暮らしは、この句ほど寂しくはない(笑)
それは俳句があるからだと言っていました。
この言葉、朔的には胸にキューンときました(笑)。

 俳句に限らず、何か生きる楽しみとか
目的があれば、一人でもそれほど寂しくない。
もちろん、俳句の仲間もいるし、句会もあります。

 何か始めるにはいつでも遅くはないけど、
早いことにこしたことはありません。
朔太郎は55にして俳句を、57で小筆を始めました。
これは、確実に来る老後の備えだと思っています。

 そして、今まで生きてきて、
体についた無駄なものをそぎ落とし
シンプルな老後がすごせればと思っています。

 

 

 

上に戻る