日々の思い

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<h20.3.29>

北斎展

 3/23(日)の午前中に名古屋市美術館で北斎展を見てきました。
この日が展覧会の最後の日ということで、ものすごい人でしたが、
それにめげず、一番前に陣取って、
じっくりと2時間かけて見ました。
感想と言えば、ただすばらしいの一言で、
久しぶりに見応えのある展覧会でした。

 言い古された言葉ですが、北斎は天才ですね。
<富岳三十六景>今までいろいろな所でコピーをみてきましたが、
今回まじまじと見ると、その繊細な筆使い、遠近法の巧み、
静と動の対比と、ただただため息がでてきました。

 <北斎漫画>噂には聞いていいましたが、実物を見るのは初めて、
その膨大な数の絵、そしてその表現力のうまさと的確さ、
北斎ほどの天才なら、きっと何も思い悩まずに
筆が自然と動いてしまうのでしょう。

 天才に生まれて来たい気もするが、
天才には天才の悩みがあるもの、
今の平凡さがやはり一番かな?と
才のない自分を慰めていました。

 北斎の晩年の掛け軸に書かれた肉筆画を見ましたが、
80代後半の作品が多く、いつまで生きたのか?と思っていたら、
90才までだそうで、あの当時の90才がどんなすごいことかと驚くと同時に、
ただ生きていただけでなく、一線で作品を
描き続けてのだから、これまたもっとすごいこと、
その生命力と精力は見習いたいものです。

 富岳三十六景は版画で、絵師、彫り師、摺り師の
共同作業で、どの一つとして劣っていたら名作とは言われません。
でも、浮世絵の版画の世界では、
絵師(北斎)だけの名前が残るのだそうです。
 

 

 

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