日々の思い

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<h21.1.25>

冬のバスツアー(3)

 ◎ 三日目は関門海峡近くの赤間神社へ。

 この神社は壇ノ浦の戦いで敗れ
幼くしてなくなった安徳天皇の霊を祭る神社です。
その建物の形が竜宮城とそっくりというのが、
悲しみを募らせます。

 ◎ 唐戸市場(下関の魚市場)

 下関の唐戸市場は、年末の買い出しには少々早く
嵐の前の静けさという感じでした。
さすがフグの一大産地、ふぐ関連のみやげと多かったです。

◎ 角島大橋(エメラルドグリーンの海の中を走る橋)

◎ 仙崎(金子みすず記念館)。

 2〜3年前に「金子みすず物語」が松たか子の主演で
テレビドラマ化されて、一気にみすずブームに火がつきました。
今では女性を中心に、人気のある童謡詩人です。

 夫運が悪く、病気をうつされた上、詩を作ることも止められ、
ついには一人娘を母に託して、自殺をします。
そんな悲しい運命に負けず、明るく元気な詩を書いています。

 私と小鳥と鈴と

  私が両手をひろげても、
  お空はちっとも飛べないが、
  飛べる小鳥は私のように、
  地面を速く走れない。

  私が体をゆすっても、
  きれいな音はでないけど、
  あの鳴る鈴は私のように、
  たくさんな唄は知らないよ。

  鈴と、小鳥と、それから私、
  みんなちがって、みんないい。

 この詩は槇原敬之の「世界に一つだけの花」に通じるものがあります。

 蹲いに白き山茶花みすず館

◎ 萩の松蔭神社・松下村塾へ。

 吉田松陰は、幕末の日本を
近代国家へと導いた偉大な指導者です。
彼が作った松下村塾からは高杉晋作、伊藤博文など
明治建国の立て役者たる指導者が輩出しています。
また、直接彼の教えは受けていなくても、
その理念や哲学に、影響を受けた指導者は数多です。

 向学心と集中力、世俗の楽しみに堕落しない心
これらはなかなかまねのできないことで、
志が高く、清く正しい凛とした人物です。

 松下村塾や松蔭の生家は質素なものですが、
今にも松蔭が現れて講義をするような雰囲気の家で、
常に学ぼうとする志の高さが滲み出ていました。
知識欲こそ、人間の最大の喜びであると、
彼を見ていると思います。

◎ 津和野(島根県)の殿町散策へ。

 津和野は山陰の小京都と言われる閑静な古い町並みが魅力です。
中心は殿町で、そこを散策しました。
事前にガイドさんから、太った鯉に驚かないように言われていましたが
それでも、そのあまりにも巨大な鯉にびっくりしました。

 あの千姫で有名な坂崎出羽守の居城の会った所で、
彼は食糧難に備えて掘割りに鯉を飼うことを奨励したそうです。
それが始まりで、今では観光客の餌で丸まると太ってしまいました(^_^;)。

 このツアーは、幸い雨には縁がなかったのですが、
最後の津和野殿町の散策途中で時雨に会い、
足早にバスに帰ってきました。
そんな古い町並みの中に教会があり、
おりしもクリスマスであり、聖夜の灯火が
雨ににじんでいたことが印象深かったです。

 夕暮れを急かす津和野の時雨かな
 聖夜の灯雨に潤みし津和野かな
 津和野路の時雨に潤む家並みかな

◎ 新山口から新幹線で名古屋へ

 

 

 

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