日々の思い
<h21.5.1> |
田辺聖子 |
<人生は、だまし だまし>というエッセイ集を買ってきました。 この本のどの章もすばらしい内容で、 お二人が愛読されている意味がよくわかりました。 特に<寝首>の章は良くて、 3度も読み返してしまいました(*^_^*)。 この章に書かれていることは、 私が58年の人生の中で実際に体験し、 堅く信じていることと全く同じでした。 何か問題や心配事が起こると、 私はそれによって起こりうるあらゆる可能性を考え、 その内の最悪の事態を覚悟します。 最悪の事態がわかり、それがそれほどでないと分かれば安心し、 落ち着いて待つことができます。 また、私の経験上では、覚悟しておくと、 その運悪く最悪の事態が起きないことがほとんどでした。 また、予想していたことが起きても、 覚悟ができているので、それほどあわてません。 一番怖いのは、予想を全くしていなかったことが起こった時で、 この時は周章狼狽しあわてふためきます。 大体これは、たいしたことないと油断をしていた時で、 そんな甘い私に、神さんが懲らしめたると意地悪をするからでしょう(^_^;)。 今の自分は、いろいろなことが順調に良い方向に、 行っているので怖いです。 こんなふうにいつまでもうまくわけがなく、 いつか神さんが<寝首>を欠きにくると考えて、 最悪の事態を覚悟をしています。 そう、覚悟をしていればそれはおきません(*^_^*) 私の処世術は、『油断大敵』、 決して気を緩めずに、『勝って兜の緒をしめよ』です。 そして、常に最悪の事態を考え、覚悟しておくことです。 最悪の事態が覚悟できれば、怖いものなしだし、 それ以外のことが起こるなら、運が良いわけです(*^_^*)。 *********** 以下、田辺聖子<人生は、だまし だまし>の中の<寝首> の章の抜粋です。 『勝って兜の緒をしめよ』……合戦が勝利に終われば、 急いで重い兜を脱いで、気楽になる所だが、 安易に気を許してはいけないという教え。 勢いを盛り返して、敵が夜襲をかけて来るかもしれません。 こうなるだろうと予測し、大地を打つ槌ははずれても、 自分の予測ははずれないだろうと思っていると、はずれる。 反対に思ってもいない方面から、ぽろっとほころびが出て、 そちらのお手当は全くしていなかったから、周章狼狽ということもある。 神さんは人の寝首をかく。 寝首とは寝ている者の首、 つまり武装を解いて油断している人の不意をつき、 卑怯にも名乗りもせず、ひそかに忍び寄って首をうつのである。 人生は順風満帆という時ほど、人はあやうい。 <神さん>は寝首をかく大家だということを忘れてはいけない。 私の思うに、寝首をかかれた時の対応はただ一つである。 <神さん>の無慈悲なる仕打ちに対し、達観すること、これあるのみ。 達観とは、心中、<まあ、こんなトコやな>とつぶやくことです。 ******** |