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中年ちゃらんぽらん

 田辺聖子の<中年ちゃらんぽらん>を読み終えました。

 <中年ちゃらんぽらん>の
「ちゃらんぽらん」とは、「いいかげん」とか
「無責任」のことですが、
私はこの小説を読んで、ちゃらんぽらんの意味を
<良い加減>と思えるようになりました(*^_^*)。

 年齢を重ると、いろいろなことが
どうでも良くなって行きます。
若い時は「ここはどうしても引けない」とか、
「譲れない」とか、面子がどうのと考えて
必死に守っていたことがありました。
それでどうなったかというと、自分の面子は保てたかもしれませんが、
相手の気分を害すると共に、
自分もくしゃくしゃした気持ちになったものです。

 でも、今は年のせいか、ほとんどのものを譲れます。
(もちろん譲れないものもあります。それによって
自分が自分でなくなるというものは譲れません。)

 ではなぜそうなったかと考えると、
<人からどう見られているか?>とか、
<良い人と思われたい>という意識が、なくなってきたのだと思います。
自分は自分だから、飾らずにありのままを出し、
どう見るかはあなたの勝手でしょ?そんな感じかな(*^_^*)?
<出世したい>、<人から好かれたい>、<女性にもてたい>
という気持ちが薄くなったのでしょう。
「ありのままの自分をさらけ出し、評価は人に任せる」、
これによって人生を楽に生きることができるようになりました。
これが<年の功>なんでしょう(*^_^*)。

 この小説のメインテーマは、
40代後半の夫婦が、マンネリ化した夫婦関係を
人との出会いの中で、考え方とか価値観を変えて行き、
仕事中心の人生から、楽しむための人生に
大きく舵をきっていく物語だと思います。

 自分が仕事中心の生活から楽しみ中心の生活へ
変わって行ったのは48歳くらいです。
(主人公の平助と同じ頃ですね)
それまでは人並みに出世をめざし、仕事人間でしたが、
あることをきっかけに、方向を変えて来ました。
それによって今までとは違う形で
映画を見たり、読書をしたり、ネットを始めたりしました。

 さらに、俳句や小筆を始め、ネットサークルに入り、
自分のサークルを作り主催者になりました。
気がつけば、完璧に仕事中心から
楽しみ中心の生活にシフトしていて、性格も完璧主義から
<ちゃらんぽらん>になっていました(*^_^*)。
若い時はストレスから心身症に近いこともありましたが、
今は全くありません。

 <嫌なことは逃げる><面倒は避けて通る>
これに徹しています(*^_^*)。
それは人間を成長させるには良いことではないかもしれませんが、
もう今さら無理して成長させても仕方がありません。
だから、今は堂々と逃げています(*^_^*)。
あまり大きなことを期待せず、ほどほどの所で良しとしています。
まさに「中年ちゃらんぽらん」ですね。
 

 

 

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