日々の思い

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乙川春祭り

 3月21日(日)半田市の乙川祭りに行って来ました。
半田市には15地区に計31台の山車があり、
その内10地区が春祭り、残りが秋祭りです。
春祭りの第一陣が乙川地区(各組に4つの山車)で、
これが始まると半田に春が来ると言われています。

 昔からこの祭は<けんかまつり>の異名があります。
この祭の最大の見物は坂上げ神事で、
鳥居から八幡社の本殿までの約200mくらいの急な坂を
勢いをつけて山車を引き上げることです。
この坂上げは危険かつ技量を要するため、
一番梶が大事であり、それを守りとおした若者は英雄となり、
乙川一の娘を嫁にできるといわれていました。

 山車の後ろには梶が2本あり、
その内、御弊(青竹の先にある)の下にある方の梶のことです。

 乙川の祭に詳しい人に聞いた話ですが、
一番梶を守る役は、今ではあらかじめ決められているそうです。
決められているかと安心なのかと思いきや
他の組から、梶を守らせないように執拗な妨害が入ります。
それを防ぐために山車の上に乗って、
他の組の妨害者を蹴って、梶に寄せ付けないようにする係りがいます。
その蹴り方は尋常ではなく、
そこからけんかまつりの異名があります。
今回もこれがきっかけで本当のけんかが始まっていました。

 自分の組だけが一番梶を守ったという形にしたいわけで、
小学生の騎馬戦や棒倒しと同じようなものですね(^_^;)
昔はガチンコで一番梶を取り合ったそうで、
危険きわまりないことですね。

 一番梶を守る人も命がけで、
中にはビビって怖がる者もいるそうで、
そんな時は酒で気合いを入れます。
(ただ、飲み過ぎて役に立たないと困るので、
酒に水を入れることもあるそうです)

 その組の山車が坂上げ神事を終了した時点で
一番梶を守った者がいないと、その組は恥をかき、
それができると、その男は胴上げをされ祝福され、
その年の英雄になれるわけです。

 そこで一句。
 しがみつく一番梶や春祭り
 坂上げの山車の軋みや春一番
 春祭り煽る娘の熱視線
 

 

 

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