日々の思い

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<h23.7.28>

チキンレース

 夏ばてなのか?年のせいなのか?
最近すぐ疲れて、何もする気がおきません(^_^;)。
まあ、それは昨今の社会情勢のせいかもしれません。

 日本ではあまり使われませんが、
アメリカではチキン (chicken) とは、
「臆病者」とか「腰抜け」の意味で言われ、
人を馬鹿にする時に使われます。

 またチキンレースとは、
洋画でよく見るように、
対決する2人が、崖に向かって別々の車で同時に走り出し、
先に運転席から飛び出した方が負けで、
「チキン」とされるゲームです。
 腰抜けと言われたくないために、お互いに譲らず
最悪のケースに陥ることもあります。

 今円高が急激に進んで、対ドルに対して77円となっています。
(しばらくは80円が続いていた)
円高は良い面もありますが、日本のように工業製品を
外国に輸出して生きている国にとっては、製品の価格が高くなり
ものが売れなくなるので、ものすごく不利になります。

 トヨタなどは、1円の円高で、
数百億円の赤字になるとも言われています。
また、アメリカの株が大きく値を下げ、
その影響で日本を含めて世界中の株が下がっています。
(株が下がることで景気に大きな影響がでる)

 この原因は、8月2日に迫ったアメリカの
債務上限の引き上げ期限、それへの対応がなかなか進まないためです。

 アメリカの債務上限の引き上げ問題とは、
今現在のアメリカは、法律で定められた限度一杯に国債を出していて、
もうこれ以上国債を発行できない状況になっています。

 もし、8月2日までに法律が通らないと、
国債の利子を払うことができず、
デフォルト(債務不履行=借金の踏み倒し)に陥り、
アメリカの威信(信用)を大きく失墜させます。
つまり、ドルの価値が今以上になくなるわけで、
それに変わる安定的な通貨ということで、
今は緊急避難的に、円が買われ極端な円高になっています。
また、債務上限問題の解決の不透明感から株が暴落しています。

 なぜこんなことになっているのか?
それはアメリカが日本と同じように
ねじれ国会になっているからです。

 上院は民主党、下院は共和党が多数を持っていて
党利党略のために、お互いに譲りません。

 オバマ大統領の民主党は、アメリカの財政赤字の解決策として、
増税をして歳出削減をしようとしています。
それに対して、共和党は増税なしで歳出削減をしようと考えています。
この主張、歳出削減は同じでも、その方法論、
増税にするのか、それとも小さな政府にするのかだけの問題です。

 8月2日までにこの債務上限の問題が解決されないと、
大変なことになることは十分に知っているのに、
なぜお互いに譲らないのか?
 それは、来年のアメリカ大統領選挙を有利に戦うためです。
いわば、8月2日という崖(期限)までの
チキンレース、妥協をせずにお互いに譲らないと、
崖に落ちるという最悪の結果になってしまいます。

 ただ、このメンツの張り合いのために、
大きな影響を社会に与えているわけで、
大きな損失を被っている人もいます。

 一日も早く、大人の解決をしてくれることを望みます。


 
 

 

 

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