日々の思い

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アランの幸福論

 新年明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いしますm(_ _)m。

 やや吉の 勝りし年を 惜しみけり

 これは昨年末に詠んだ句ですが、
今年も終わって見れば

 比ぶれば 吉の勝りし 年の暮

などと詠んでみたいものです(*^_^*)。

 昨年は定年退職で、
38年間の仕事人生を卒業するという、
大きな節目の年でした。

 今のご時世、定年と言っても、
65歳くらいまでは働かなければなりません。
でも、それが終わったり後はのんびりと
人生を楽しんでいこうと思ってもいましたが、
今は、その後も働ける内は
できるだけ長く働きたいと思うようになりました。

 そんな気持ちになったのは、
昨年の11月に、
アランの「幸福論」に出会ったからです。

 NHKのEテレビ(昔の教育テレビ)で、
毎週水曜日の午後10時から
「100分で名著」という番組が放送されています。
25分の番組4回(計100分)で、世界の名著を
分かり易く解説するというのが、この番組の趣旨で、
ここで、アランの「幸福論」に出会いました。

 彼の言葉は当たり前のことばかりでしたが、
なぜか心にしみて、心が洗われるようでした。
彼の考え方は、自分のこれから先の生き方を
示してくれた気がします。

 アラン(1868年〜1951年)の幸福論は、300ページほどあり、
その考え方をすべてここで書くことはできませんので、
私の言葉で要約をしました。

◎ アランの幸福論は、
本物の不幸(例えば、私がかつて
第五腰椎分離症を宣告されるような)に見舞われた時の
対処法を言っているのではなく、
日常のちょっとした心配事や不安、
不機嫌から起こる、心の動揺に対するものです。

◎ 例えば明日、
嫌いな人に会わなければならない用事があるとすると、
ついそのことを考えてしまい、嫌な気分になります。
それで終わればいいのですが、なぜかそのことが気になり、
何度も何度も、繰り返し考えてしまいます。
そのたびに、どんどん嫌な気分になり、
そこから抜け出すことができなくなります。
そんな時の対処法が書かれています。

◎ 頭の中で堂々巡りをする悪しき思考は、人を苦しめ、
人を不幸にする源泉ですから、すぐにやめるべきです。
でも、なかなかやめることは難しいので、
彼は体を動かして気分を変えること、
例えばあくびをしたり、
体操や散歩をすることが有効であると言っています。

◎ 考える時間があること、
つまり退屈が悪しき考えを生み、人を不幸にする。
そのため仕事や夢中になれる趣味を作り、
無理にでも忙しくしておく方がよい。

◎ 幸福は人間の義務であり、自分が幸福でなければ、
人を幸福にはできない。
 また、幸福は人から与えられるものではなく、
自ら幸福を作り出さなければならない。
 夢を持つこと、学ぶこと、期待をすることなどが幸福を作る。

 また、自分が幸福だと思うこと。
今の仕事や自分の運命を肯定し、
決して自分の不幸や愚痴を人に言わないこと。

◎ 人には礼儀(思いやり、配慮)をもって接する。
 家族や親しい人には、特に礼儀が必要。
なぜなら、無遠慮によって、他人以上に傷つけるからである。

 上機嫌で人に接することに心がける。
自分の不機嫌が相手を不機嫌にし、
それがさらに自分不機嫌にさせてしまうからだ。

◎ 同じ出来事でも、その人の考え方によって
 全く違った見方ができる。
  どんなできごとでも、良い面と悪い面の両方がある。
 その良い面を意識的に見つめるべきである。
  
◎ 番組の中で、こんな話を聞き感動した。
 東北大震災で家族を亡くした人が、
 「遺体が見つかった自分は幸せ者」だと言ったそうです。
 家族を亡くすという最悪の事態ですら、
良い面を見つめることができた、
この人はすばらしい人だと思いました。

 

 

 

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