月とすっぽん 1
「ねぇねぇ、景吾。私のどこが好き?」
必殺の上目づかいで意識して可愛く聞いてみた。
片眉を僅かに上げ、怪訝そうに私を見下ろすグレーがかった美しい瞳。
この宝石に一目ぼれ。押して、押して、振られても振られても諦めずに想いを伝えた。
『今まで俺が出会った誰より、お前は根性がある』と宍戸に褒められ
『不屈の人やなぁ。韓国ドラマのヒロインも負けるで』と忍足。
ジローちゃんと滝が、私と景吾がどうなるかで賭けをしていたのも知っている。
氷帝学園の七不思議に新たな伝説がと呟いたのは鳳君だったか。
色々とあったが今の私は幸せだ。
隣には大好きな景吾がいてくれるんだから。
「どうして付き合ってくれるようになったのか聞いてなかったから」
ドキドキしながら答えを待てば、なんだか呆れたような目の景吾が私を一瞥して一言。
「樺地にでも聞いとけ」
「樺地君?」
SPのごとく黙って二人分のラケットバッグを背負っている後輩クンを振りかえる。
すると微妙な沈黙の後、樺時君が淡々と答えた。
「うっかり」
えっと・・、泣いてもいいですか?
2011年秋 拍手SS
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