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Fire Investigation Team

Fire Investigation Team < 火災調査探偵団

 火災調査現場の図面手引き

 
1, 建物の屋根の見分 
屋根の形状
木造系建物
 片流れ
 切り妻
 寄せ棟

 寄棟の変形、入母屋など

工場などでは、
のこぎり屋根
耐火では、
陸屋根
 などがある。

屋根
 切り妻
屋根
長尺カラートタンかわら棒ぶき 
 屋根の形と屋根の材質(瓦など)で、建物の評価が変わる。
 上の図:  A ⇒ 最も高いところの「むな木」
 B⇒ 「母屋(もや)」水平で3尺に一本程度
 C⇒ 「つか」  D⇒ 「小屋はり」 
 E⇒「軒げた」 あ⇒「妻かべ」 妻壁の下方は「けた」
 上の図:  A⇒ 「もや」   B ⇒「たる木」
 C⇒通常は「野地板」、その上にルーフィング又は土
 あ⇒「軒げた」より先の「軒先」部分。
 建物の内部から燃えていると、この範囲の瓦は焼残る

 2、建物室内側からの見分
 室内側から見ると、さまざまな建物構造に出会う
 A⇒「軒げた」 B⇒「通し柱」 C⇒「筋かい」 
 D⇒「間柱」  E⇒「はり(梁)  F⇒「屋根のたる木」
 室内側からの見分で、よく記載する用語としては
 1⇒モルタル外壁の「木ずり(下地板)
 2⇒「下地板の焼失箇所」
  下地板とモルタルの間のルーフィングが焼残る
  ことあり。
 3⇒室内の「天井の廻し縁」
 4⇒サッシ窓枠を合わせる「まぐさ」
 5⇒この範囲が3「廻しぶち」より下の下地板より
  良く燃えていることから、屋根面から焼け下が
  っている。
6⇒室内側の仕上げ材「石膏ボード」が焼け残っている。 
 
 あ⇒ 「押入れ」 い⇒「床の間」 う⇒「テラス戸」
 A⇒天井の「廻し縁」 B⇒襖戸の「鴨居」
 C⇒押入れ「敷居」  D⇒押入れ天袋の「かもい」
 E⇒押入れ「根太」
 う⇒「テラス戸」、
 窓の場合は、「肘かけ窓」「腰かけ窓」、トイレなど
 の「高窓」
 室内に落下している「スレート瓦」は焼け抜による。
 は、建物側が下に「敷居」、上が「鴨居
     戸側が上下「かまち」

「窓」の名称
障子戸からは、縁側・広縁に続き。
テラス戸からベランダへ、肘掛窓から物干し場へ、
腰窓は、出窓になることもある。

あまり、このような床の間を持った家が火災になる
ことも、この部屋が出火箇所として実況見分すること
もないですが。A⇒長押(なげし)>その下に「付け鴨居」
B⇒天袋 C⇒違い棚 D⇒地板 E⇒床柱
F⇒床の間  G⇒床(とこ)がまち。
床わき、の地板のところは「蹴込み板」と言う
床がまちに桜の木など。床柱に北山杉など。
     
   けやき(欅)             すぎ(杉)  
       
    まつ(松)             ひば

 2階の床の焼け抜けで、よくある現場です。
 A⇒はり(胴差し)  B⇒根太(ねた)  C⇒小はり
 D⇒敷はり(しきいはり) E⇒焼け残った「畳の床板」
 F⇒根太のほぞ (このほぞの焼けのあたりで、方
   向性がわかる) G⇒畳寄せ(板の間だと巾木)
 J⇒間柱  K⇒筋かい I⇒敷居  H⇒通し柱
 この現場は、1階から燃えて、2階小屋裏に延焼し、
 その後2階の根太が焼け落ちて「床が抜けている」
 ことが分かる。
 

       台所の火災現場
 A、B⇒ 石膏ボード(不燃材、準不燃の仕上げ)
 Aは、天井用の吸音ボード、 Bは壁用ボード
 C⇒天井の廻し縁(この部分は木)
 D⇒サッシ窓の木枠(上枠)  あ⇒下地板

  壁の仕上げで、下地に石膏ボードを使用している場合
  石膏ボードを張って、「しっくい用ブラスター」の上に
 「表面仕上げ」の「しっくい」を塗り込むのが、現在の和風
 の壁づくりに多い。 

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