「3・11後のお勧めサイト」
「四季折々」
みょうがの花 ヴィーナスの木
ノースポール・どくだみ クリスマスローズ(レンテンローズ)
ヒマラヤユキノシタ・カレンデュラ 紅葉 アンデスの乙女
トウモロコシ あやめと黄菖蒲 アセビ アンズ
沈丁花 ふきのとう・ふゆしらず 山茶花と獅子頭 柚子
ジニア ピーマン むくげ 芭蕉 ミニトマト
さくらんぼ 西洋石南花 乙女椿・ツバキわびすけ ろうばい
萩紅葉 ケーブタツナミ ムラサキシキブ エゴノキ
「林家染左の落語楽」・ニュース
「染左・由瓶ふたり会」
「林家染丸一門会」・「SOMEZA 5 Days]
和南城孝志さんの彫刻を訪ねて(寄稿文)
付録 図書館にリクエストしてください!
『(増補)放射線被曝の歴史』
『飛ぶ教室』
『マーク・トウェイン文学/文化事典』
『落語の黄金時代』
『反核シスター ロザリー・バーテルの軌跡』
『若きマーク・トウェイン―”生の声”から再考』
『戦争はいかに地球を破壊するか』
『マーク・トウェインのラヴレター』
『英語圏の新しい児童文学』
『父マーク・トウェインの思い出』
『放射線被曝の歴史』
『核の目撃者たち』
『子ども科学館』
「3・11後のお勧めサイト」
フクシマダイイチメルトダウンの真実
報道ステーションSP
メルトダウン5日間の真実
https://www.youtube.com/watch?v=xCWgUhfCVkc
※ 日本の原発の真実に迫るドキュメンタリー
ドイツZDFふくしまのウソ
http://www.dailymotion.com/video/xpisys
yyyzdf-yyyyyyy news
※ みんな楽しくHappy?がいい♪おなじみの人気サイト
http://kiikochan.blog136.fc2.com/
※ 放射能について正しく学ぼうチームココ
http://kingo999.web.fc2.com/index.html
※ 原子力や放射線のイロハ、来年から学校教育に利用されようとしている「放射線副読本」の批判について知りたい方にも最適
原子力教育を考える会
http://www.nuketext.org/
※ NHKの追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
ICRP(国際放射線防護委員会)が原子力推進のために、科学的な装いを凝らして政策的な判断をする組織だと言うことがよくわかります。
http://nanohana.me/?p=10335ICRP
※ このサイトもお勧めです。
http://nanohana.me/
※ 放射能防御プロジェクト
http://www.radiationdefense.jp/
※ 子供を守ろう SAVE CHILD
http://savechild.net/archives/13507.html
※ グリーンピース・ジャパン
幅広い非暴力活動が認められている団体です。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/
※ WWF(世界自然保護基金)
エネルギーシフトの提案をしておられます。
http://www.wwf.or.jp/activities/upfiles/20110506WWFJ_EnergyWP.pdf
※ フォトジャーナリスト伊藤孝司(たかし)さんのページ
http://www.jca.apc.org/~earth/
※ 20年間原発で働いておられた平井憲夫さん(1997年1月逝去)のメッセージ
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html#page2
「四季折々」
みょうがの花 10'10/29
同窓生の中にプロ級のカメラマンが何人もおられるので、ついつい投稿の手が鈍ります。
けれど、これは庭の木々の命の、そして、私との限りあるかかわりの記録なのだから、と思い直して……。
茗荷の子を薬味用に使うために亡夫が植えてくれたのに、年が経つにつれ大ぶりになって、今は花を愛でるだけになってしまいました。
でも、シーズンに1〜2度はさっと湯がいて酢の物に使います。また違った素敵な香りを楽しんでいます。
ヴィーナスの木 10'7/3
この木も、前出の「アンデスの乙女」と同じく、名前に魅かれて植えました。
ビッシリと付く小さな蕾はまんまるで、おしべいっぱいの純白の花が咲き、花が終わるとめしべだけがカギ型に残る変わりものです。
和名は銀梅花、英名はマートル。また、古代ギリシアでデーメーテール(豊穣の女神)とアプロディーテー(愛と美の女神)に捧げる花とされ、今でも花嫁のブーケに使われたりするそうなので、祝の木とかヴィーナスの木と呼ばれたりもするのでしょうね。
ハーブとして香水原料になり、料理やお酒の香りづけ、ポプリや、ハーブバス、花束、生け花の材料、ハーブピローとして幅広く使われるそうです。
私はもっぱら花の鑑賞だけで、花が終わると剪定してしまいますが、果肉は食べることができ、ドライにした実もスパイスとして利用できるとか。
まさに才色兼備の万能選手のようです。
ノースポール・どくだみ 10'6/2
ノースポールは生命力旺盛で、種がこぼれて勝手に広がり、かわいい花を咲かせてくれます。
生命力旺盛なもの、実のなるもの、香りのいいものを育てるのが私の手抜き園芸のポリシーなので、
この花もお気入りの一つです。
生命力旺盛な草花を野放しにして雑草よけにするのも、手抜きの一方法です。
花が咲いた時、葉っぱごと収穫して、洗って干し、どくだみ茶にします。
麦茶やルイボスティーを煮出すときに一緒に入れると独特の匂いがついて気分転換にもってこいです
よ。
クリスマスローズ(レンテンローズ) 10'3/9
この「クリスマスローズ」は、クリスマスのころに咲かないんですよね。
毎年、「どうしてだろう」と思いながらそのままにしていました。
今回ネットを見ると、まとめて「クリスマスローズ」として市販されていますが、クリスマスのころに咲くのは、白い原種系のヘレボルス・ニゲル(ノイガー)で、これが正真正銘のクリスマスローズ。
多種多様な交配種として3月に咲くのは「レンテンローズ」(ヘレボルス・オリエンタリス)。
レント(キリスト教の四旬節)の頃に咲くから「レンテンローズ」というそうなので、納得です。
地植えで花が下を向いているとあっては鑑賞もままならないので、摘んでサラダボールに浮かべています。
ヒマラヤユキノシタ・カレンデュラ 10'2/24
ヒマラヤユキノシタは、その名のとおり原産地はヒマラヤで、冬から春にかけて可憐な花をつけます。
葉っぱは日本のユキノシタを大きく分厚く広げたよう。
職場のグランドカバーに植わっていたのがあまりにかわいかったので、用務員さんにお願いしてひと株いただいたものです。
カレンデュラも冬から春にかけて花を咲かせます。
去年まで植えていた元気な「冬知らず」は一年草だったので、今年は多年草で花の大きなこの和名「キンセンカ」に変えました。いずれもキク科カレンデュラ属です。
紅葉 09'11/30
今年は紅葉がきれいだと評判ですが、たしかに鮮やかに輝く赤には目を見張ります。
でも、日陰になっている葉は青かったり黄色だったり。
グラデーションの妙も今年の特徴のひとつかもわかりません。
左は2年前の11月、右は今年の11月末の同じ木です。
アンデスの乙女 09'9/3
アンデスの乙女という美しい名前にひかれて買い求めたこの木、和名をハナセンナと
いい、マメ科の植物だそうです。なるほど、種はエンドウ豆のよう。
挿し木もできますが、数年前に種をとって増やし、ご近所にもらってもらいました。
今では、わが家を含め子の世代が3丁目近辺を彩っています。
トウモロコシ 09'7/22
野菜はみんなそうですが、特にトウモロコシは収穫したてが最高。で、今年はトウモロコシを植えてみました。
立派な雄花が出てきたのでホクホク、雌花が膨らんできたのでワクワク。
ところが、トウモロコシは虫に入られやすいと聞いていたとおり、小さな実の可食部分がさらに小さくなってしまいました。
でも、何ものにもかえられないほどの贅沢な味は、やはり忘れられません。
あやめと黄菖蒲 09'6/4
「何れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」ということばがありますが、最近ようやく菖蒲(あやめ)と黄菖蒲だろうと見当をつけました。間違っていたらお教えを……。
菖蒲湯にする菖蒲はサトイモ科の多年草で、葉に芳香があり、旧暦の五月五日頃にまったく形状の違う花をつけるそうです。菖蒲は尚武に通じるし、なるほどそれで……と納得してしまいます。
黄菖蒲は一本の茎にいくつかの花が順々に咲いていきますが、あやめは一本の茎に花ひとつ。こちらはアヤメ科の多年草です。
アセビ
アセビは馬酔木と書くだけあって、見かけによらず有毒なのですね。
馬が食べるとしびれるそうで、葉の煎じ液は有機農業用の殺虫剤になるとか。
3月には白い花が房状についてツートンカラーになり、見とれているうちに4月には赤い新芽が出て三色に。
風薫る5月になるとすっかり緑色に変わっています。
新芽の赤い木はたくさんありますが、月ごとにこんなにはっきりとお色直しをする木は珍しいのではないでしょうか?
アンズ
若いころ酸っぱい実をつけていたアンズの老木、昨今はかろうじて花を楽しませてくれています。
枝に花がびっしりとつくので若いころは豪華だったのですが、今もそれなりにがんばっています。
沈丁花
今年は沈丁花の開花も早いですね。
甘いけれどさわやかな香りを振りまいています。
白い花の方は地震の後ずっと咲かず、数年後に一度開花して、そのまま逝ってしまいました。
水脈が変わったのか、地相が変わったのか、はたまたショックがひどかったのか……。
かわいそうなことをしました。
ふきのとう・ふゆしらず
真っ先に春を告げる野草、フキノトウ。もう3度収穫してフキノトウ味噌にしました。
ほろ苦さが格別で、御飯が進みますよ。
食べる方に気を取られて撮影するのを忘れていたので、小さなのしか残っていませんが。
右手の花は、冬でも何でもやってこい、と元気よく咲き続ける「冬知らず」です。
山茶花と獅子頭 08'12/27
山茶花は親しい花なのですが、獅子頭はなぜこう呼ぶのか、山茶花とどう違うのか、以前から少し引っかかっていました。
獅子舞のときにかぶるのは獅子頭だし、肉団子のことも獅子頭と言うし、金魚にも獅子頭があって、獅子頭人気は結構高いようです。
ネットで検索してみると、お花の獅子頭は椿と山茶花との交配種とか。そういえば、気のせいか、花びらの落ち方は、ポトッでもないし、ハラハラでもなく、何となく中間的な感じです。
枝が横に広がるので、一本仕立てのときにはまるで獅子の頭のように見えるから、こういう名前がついたのでしょうか。(まったくの私見ですが……。)
柚子 08'11/27
きのう11月26日(水)のためしてガッテンで「香り17倍!ゆず大革命」というのをやっていました。
ご覧になった方もいらっしゃるでしょうね。
鉢植えの貧弱な柚子の木ですが、私もそろそろ収穫して、ガッテン流のゆず丸ごと利用をやってみたいと思っています。
柚子は、5月に香りのいい花をつけ、7月に青い実がなり、11月には実が黄色く色づきます。
ジニア 08'10/24
ジニアの和名は百日草、道理で初夏から延々と咲き続けています。
水遣りを忘れると、あられもなくぐったりするのですが、水をやるとシャンと元通りになるのには感心するばかりです。感心ばかりしてないで、水遣りを忘れるなと言われそうですが……。
ピーマン 08'9/22
ピーマンは見るからに元気そうな植物ですが、ほんとうに元気です。
我が家は40年この方、台所ごみを埋めて土作りをしているのですが、ピーマンの種が
混ざっているので、実生のピーマンがあちこちに出てきます。
シソはいい土に植え替えてやると、しばらくは大いに利用できますが、そのうち虫に
やられてしまいます。(一般に市販されているシソが農薬まみれだというのも道理ですね。)
パセリも結構元気で、勝手に増えるので、付け合せに重宝させてもらっています。
むくげ 08'8/17
むくげは夏の象徴のような花ですが、韓国の国花とあって、韓国文化の象徴のようにも使われていますね。
白のほうは鳥の贈り物、八重の紫は買い求めて植えたのですが、親木が倒れたときに慌てて挿し木して、今は二代目です。
現在来客中の模様です。
芭蕉 08’7/25
ミニトマト 08'6/18
ミニトマトは毎年コンテナガーデンの定番で、腋芽とりは母の役目です。
思いのほかに実がよくつき、失敗なくできるので、育てていらっしゃる方も多いのでは?
カラスに狙われるのだけが難点です。
ろうばい 08'1/26
蝋で出来たような繊細な花からほのかに甘い香りをはなつ蝋梅。
例年はすっかり葉を落とした枝に花をつけるのに、この冬は葉が落ちず、葉と花とが共存しています。
裏山の落葉樹がいまだに葉をつけているのも少し異様です。温暖化は北極海の氷壁から各家庭にいたるまで、確実に影響を及ぼしていますね。
左は2〜3年前の、右はこの冬の蝋梅です。
萩紅葉 07'12/11
丈の低いしだれ萩のつもりで植えたら山萩だったのでびっくり。
でも新枝が出たときに刈ってやると、これはこれで適度に収まってくれました。
日陰になる東側は11月末まで残り萩、夕日の当たる西側は萩紅葉とツートンカラーになるのは自然の正直さですね。
左は10月、右は12月の萩です。
ケーブタツナミ 07'11/16
10年以上前にご近所からいただいたケープタツナミ。
ふつうの立浪草は5-6月ごろに波立つような花を咲かせるのですが、こちらは夏に生き生きした
葉を輝かせて、秋にしょんぼりと花をつけます。
冬は家の中に取り込んでやり、切り取った茎を花瓶にさしておくと、春には根が出ていますので、
また植木鉢に。
うらやましいくらい生命力にあふれています。
ムラサキシキブ 07'10/22
和南城洋子さんからの絵葉書で孝志さんの彫刻には何度か出合っていたはずなのに、長い間「和南城さんたちはピアニストと彫刻家の芸術家カップルなんだ」というくらいの認識しかもっていませんでした。衝撃を受けたのは、出版される予定の作品集の英訳をすることになり、参考にとメールで送ってくださった「重力のファサード」と「イメージの水」を見たときでした。「ヤヤッ、これはまるでイギリスのストーンヘンジじゃない? それに石で水を彫るってどういうこと?」それまで私の見てきた野外彫刻は具象的なものか、材質や色彩、形態に凝った現代風なものが多かったので、このようにシンプルで古典的で大型の彫刻に意表をつかれたのです。しかもその説明たるやとても哲学的。英訳に苦心惨憺した分だけ「一度実物に会いたい」との思いがつのりました。
そして、とうとう今年2006年の5月10日にそれが実現したのです。授業を終えて夕方の新幹線にとび乗り、一路高崎へ。翌日は高崎に設置してある6つの彫刻を、12日には桐生の奈良彰一さんの案内を得て7つの作品を、洋子さんのお供をして訪ねることができました。
13作品のうち9作品が洋子さんのページにアップされていますが、すべてがすべて生きていました。作品集の写真が死んでいたと言うわけではありませんが、何年かの歳月を生きてきた実物には迫力が感じられます。高崎や桐生の方たちに愛され見守られつつ、木々が茂り、竹が伸び、こまめに手入れされて、設置されている場所にしっくりとなじんでいるのです。二、三の作品を紹介いたしましょう。
最初に訪れたのは「イメージの水」。群栄化学工業の本社玄関を入ったところにある広々したロビーの正面に見える中庭に、それは堂々と存在していました。「生命の木――賢者の石」というサブタイトルをもったこの作品は、ガラス越しに広がるひとつの宇宙です。中庭に注ぐ太陽の光とそこに充満する気。水の流れが彫り込まれた巨石から生命を象徴する木に命の水が流れ落ち、絶えることなく大地を潤すのです。(『近作U』 29-31)孝志さんが最後の病床で藤原新也さんに語られたことば「いま、水にいちばん興味を持っていましてね。水を表現する彫刻を作りたいのです」(『空間への旅』 34-35)について、藤原さんはこれを彫刻家としての和南城孝志の成熟と説明しておられます。読んでいると涙ぐんでしまう一節です。多分1992年のこの作品で宇宙を形作る一要素としてイメージしていた水が2003年にいたるまで反復され成長して、そのイメージが藤原さんの見られた「大きな石の四方から四つの海洋に向かって水が蕩々と流れている」デッサンへと結実していったのでしょう。最期まで夢を持ち続けた彫刻家、和南城孝志がそこにいるような心持でしばし洋子さんとそこに釘付けになったのでした。
上武大学三俣記念館の庭に設置してある「交叉するメビウスの輪――無限」はイタリア産赤大理石でできています。理事長さんたちと話していて、それが孝志さんの仕事場のあった沼田市の「石のサンポウ」(会長の平井良明さんは孝志さんの支援者)に並んでいた作品群から気に入って購入されたことが分かりました。メビウスの輪は某社のパソコンの愛称にも使われていて、私たちにもなじみのあるものですが、表になったり裏になったりしつつどこまでも続いていく輪廻転生のこの世界をイメージして創られたものでしょう。平井さんによれば、製作に1年半もかかったそうです。直系約3メートル、重さ約3トンのモニュメントは小さなステンレス製のパイプで支えられているだけらしいのです。施工するときに平井さんが「和南城さんこれ大丈夫?」と聞くと「大丈夫でない」との答が返ってきたので、「じゃ、地震がきたりなにかして倒れて怪我をしたらどうするのですか?」と聞くと「アートというものは、危険で緊張感があっていいんじゃないですか」(『空間への旅』116-18)と平気な顔で孝志さんが答えたそうです。イタリアや沼田にこもって製作に励み、合間合間にネパール・バンコクなどのアジアやギリシア・トルコ・スペインなどを旅して回り、家庭を顧みず(??)彫刻に心血を注いだ芸術家・和南城孝志の面目躍如たる、この世の憂いを超越したエピソードだと思われませんか?
一夜明けて12日には列車で桐生に。桐生は桐生織物や足尾鉱毒事件の渡良瀬川で知られた町です。桐生文化の仕掛け人で、最初から和南城彫刻に肩入れしてこられたマルチ文化人の奈良彰一さんが、忙しいなか案内兼ガイドをしてくださり、車での彫刻巡りとなりました。桐生市立中央公民館の正面階段の真ん中に布のように横たわっている「溶融感覚」は多数の市民の寄付でできたものだそうで、子どもたちがその上で遊んでくれるようにとの願いをこめて創られたとか、サンロード長崎屋入り口に飾ってある「輝ける太陽」は商店会のみなさんが寄付を集めて設置されたとか聞くと、和南城彫刻が出身地桐生の市民の中に息づいているのが実感されます。ちなみに桐生は歴史家・羽仁五郎の出身地でもあり、奈良さんのお話の中で『都市の論理』が引き合いに出されたり、公民館の庭に五郎さんから寄贈された彫刻「望み」が飾ってあったりして、なかなか面白いところです。
桐生第一高校は高校野球で名を馳せた高校ですが、校庭には「重力のファサード」、エントランスホールには「交叉するメビウスの輪」と和南城作品が二つも設置されています。理事長さんとの話の中で奈良さんがこの学校の同窓会名誉顧問だと分かり、納得したものです。「重力のファサード」は大きな石を支えている鉄板がほどよく錆びて新緑に映え、とてもいい雰囲気になっていました。コルテン鋼というこの鉄は錆びるけれども腐食しないとかで、製作時の意図通りに変化しているそうです。和南城彫刻が、制作に時間をかけるばかりでなく、百年先千年先という宇宙的な時間感覚のなかで製作されている証拠を見たような気がしました。施工の時には地下深く基礎をうずめて設置したとのことで、薄っぺらな鉄板が重い石を支えている、信じられないようなこの形態が不思議にどっしりと感じられるのは、目に見えないそのような基礎があるからなのでしょう。作品集の説明によると、孝志さんは「太古の時代人間が自然ともっと密着した生活を営んでいたとき、……、太陽、月、星、山、川、石や樹といったものに“内なる魂”あるいは自然界の中に存在する力(エネルギー)を明確に意識していたのではないか」と考え、この石の太陽と月に向かう面に「ミクロコスモス」――「四角く内にだんだん縮小していく渦巻き」と「マクロコスモス」――「丸く外に向かって拡散していく渦巻き」を彫ったそうです。(『近作U』 33-35)残念ながら石の上の渦巻きを見ることはできませんが、万有引力をことさらに意識させられるこの形態が、引力に逆らって広く宇宙に開かれているのだという逆説的な印象を与えてくれるのは、このような製作者の魂が観るものに伝わってくるからかもわかりません。
私たちの彫刻巡礼は「溶融感覚」で幕を閉じました。この「溶融感覚」や桐生市立東小学校の「はばたく形」が桐生特産の織物をイメージしているとすれば、パークイン桐生のロビーを飾る「垂直U」は織機の杼をイメージしています。和南城作品は宇宙的・哲学的観念と子どものころから慣れ親しんだ身近な物、あるいは旅で出あった具体的な物との融合によって普遍性を獲得したと言えるでしょうか。
この旅には、作品のその後を見届けるという意味とともに、設置者の方々と洋子さんとの交流があったり、紛失した説明板をつけてほしいとか、彫刻に覆いかぶさっている樹の枝を少し透かしてほしいとかを依頼したり、不明だった設置場所の確認をしたりという実際的な成果もいくつかありました。そして何よりも私が深く感じ入ったのは、和南城作品の最初の購入者であり、結婚後一貫してこの一途な彫刻家を支え続け、亡くなった後には支援者と共に作品展や回顧展を開催し、作品集や回顧集を出版された洋子さんの献身ぶりでした。洋子さんと出会ったからこそ、孝志さんはこの世のあれこれを思い煩うことなく、自由に芸術の世界に没頭して、想像力の羽ばたくままに骨身を削って数々の傑作を世に送り出すことができたのでしょう。私には洋子さんもひとつの芸術作品のように輝いて見えたのでした。
参考資料
和南城孝志編『和南城孝志近作U1983-2003』77gallery(編集協力)、2003年
和南城孝志さんを偲ぶ会編『空間への旅―彫刻家和南城孝志を語る―』高崎市民新聞社、2004年
(中川慶子)
付録 図書館にリクエストしてください!
(増補)放射線被曝の歴史 中川保雄著
『若きマーク・トウェイン―”生の声”から再考』 (分担執筆)
「戦争はいかに地球を破壊するか」
ロザリー・バーテル著
中川慶子・稲岡美奈子・振津かつみ訳
緑風出版 46判・416頁・3150円
「マーク・トウェインのラヴレター」
ディクスン・ウェクタ(編著)
中川慶子・宮本光子(10期.旧姓 吉田)訳
彩流社 A5判・425頁・4700円
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クリックすると拡大します。
「父マーク・トウェインの思い出」
クララ・クレメンズ著
中川慶子・的場朋子・宮本光子訳
こびあん書房 46判・475頁・3605円
「放射線被曝の歴史」(中川保雄 著)
「 核の目撃者たち」 (レスリー・J・フリーマン著 中川保雄・中川慶子 訳)
『子ども科学館』 (中川保雄 著)