3月4日

 シンダル遺跡をうろつく。

 ボタンを押さなければ開かない道が点在していて、非常にうっとうしい。

 敵も頻繁に出現する。
 しかも1、2撃で倒れる強さではない。

 ああ、うっとうしい。
 非常にうっとうしい。


 しかも体力回復するにも、宿屋のある街が遠いんだ。

 1人だけが先頭に立つ布陣で戦っていたため、その場所に配置された師匠が何度死んだ事か。

 やっと、最深部まで着いた時は6人全員が疲弊しきっていたよ。

 黎明の紋章がないと入れなかった最深部。
 そこには、この遺跡に流れ込む水を操作する装置があった。

 この装置を使い、下流にあるゴドウィンの要塞に多量の水を流しこんで破壊する計画らしい。

 そして、要塞大破による被害がロードレイクにまで及ばないような施設もビーバー族に頼んで設立中だとか。

 この計画を手放しで喜ぶ選択肢を選ぶと、他の人から要塞の兵士の人達を気遣うツッコミが入った。
 ゴドウィンの要塞にいる人達は多くが徴兵で無理やり引っ張られてきた人達だという。

 いや、王子殿下はともかくワシはそんな情報知らんし。

 徴兵された民の事を一切考えていない人であるかのような指摘を受けてやる気がかなり失せた

 それでも助けないわけにはいかない。

 取りあえず、計画通りに事を進めてロードレイクに水を流しこんだ。

 ロードレイクの民、大喜び。

 仲間になると言い出したロードレイクの住民に、
「この前まで罵っていたくせに現金な奴らめ」
という思いがよぎった。

 しかしロードレイクの人達も、
「ここまでしてもらったからには、ありがとうございますの礼1つじゃ足りないよな。
 仕方ない手伝うか」
ぐらいの気持ちかもしれないよなと思ってしまう。

 ワシの心はきっと荒んでいる。

 今回の作戦により水位が下がった湖から遺跡が出てきた。

 どうやらココが今回の本拠地らしい。

 本拠地が出来たので、お約束の名前付けが始まった。
 だからもうネタがないんだっつーのと思いながら、考えてはみた。

 黎明の紋章がなかったら、発見できなかった遺跡なので「黎明」の英語名をつけようと考えた。
 「黎明」は「明け方」を難しく言いかえた言葉だ。
 「明け方」を英語にすると「dawn」というつづりになる。
 この単語の発音がよくわからなかったが、おそらくこう発音するのだろうという言葉を城の名前にした。

 命名「ドーン城」

ゴドウィン陣営も驚く

 だっせー。

 妙な名前をつけてしまった事を嘆きつつも、ビッキーが仲間になった事で各地を簡単に移動できるようになったので仲間捜しの旅に出る事を決意した。

 師匠も連れて行こうとしたが、連れて行けるメンバーの中に師匠の名がない。

 やはり師匠は裏切り者なのかという不安が再び浮上した。

 妙な名前をつけてしまった城への後悔と、師匠が裏切り者なのかという不安を抱きつつ、仲間捜しの旅に出た。

 またもや結構な人数の人から断られた。
 もう気持ちが浮上できない。

 1番の収穫は以前会ったマリノさんとベルクートさんを仲間にできた事ぐらいか。
 っつうか、この2人一緒に旅してたのか。
 おそらく周囲が気をきかせたんだろうな。

 ある程度、うろついた後で城に戻ると話が進んだ。

 また別の町に赴く必要があるらしい。

 そこで、その街に住んでいたというカイルに案内役の白羽の矢が立った。

 だからか、すぐ後にこんなイベントが用意されていたからから師匠(カイル)はシステムの都合か何かで連れて行ける仲間の中に入っていなかったのか。

 少しホッとした。

 お忍びでいくから王子殿下も護衛も師匠も変装しているのだが、師匠の装いがビクトールに似ている気がしてならない。

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