罪滅し編(20)

 まあスゴイ☆と手を叩きたくなる程に礼奈の妄想が暴走している。
 この域にまで到達してしまうと、読んでいるワシとしては苦笑いだよ、本当に。

 やっと「罪滅し」編が圭一と礼奈のモノローグで構成されている理由がわかった気がする。

 礼奈のモノローグだけの場合、延々と妄想・暴走・大暴走の話に付き合わされるだけになる。
 圭一の視点がある事で、真の現状を把握する事ができているのだ。

 「鬼隠し」編もこの原理だった気がしてきた。
 圭一視点のみだったから、ヤツの恐ろしげな妄想に付き合わされていたのかもしれないな。

 あ、でも、それでは最後の圭一の死に様の説明がつかないか。
 やはり「鬼隠し」編は難しい。


 (本編読み進め)


 礼奈がお金を持って、家から逃走しようとしている。

 ん、家から逃走?
 しかも大金を持って?

 1年前の悟史と行動がかぶったぞ。
 まさか、にーにーも妄想・暴走・大暴走で逃げ出したんじゃあるまいな。


 (本編読み進め)


 礼奈が大金を持って逃げた事で、礼奈親父は泥棒が入ったと勘違いしている。

 警官と状況を確認している時に、レナを心配したのか圭一から電話が入った。
 その電話をいとも簡単に切ってしまう、礼奈親父。

 礼奈の暴走を食い止める最後のチャンスだったのかもしれないのに。
 それを簡単に切っちゃったよ、この人。

 本当に嫌だな、礼奈親父。

 礼奈は最初の選択を既に間違えていたんじゃないかという気になってきた。
 彼女は母親に引き取られた方が、ここまで心を病む事はなかったんじゃないか?


 (本編読み進め)


 その頃、礼奈は以前埋めたリナ達の死体の確認に向かっていた。
 どうやら埋めた場所から死体が無くなっているらしい。

 場所を間違えているんじゃないのか?
 それか以前のTIPSで出た、あの植樹の時に土を混ぜ合わせたらグッチャグチャになったとか?
 (理由としては苦しい)

ソッチじゃない


 ワシはうんざりしてきているが、死体が無いという事は彼女にとっては一大事だ。
 必死に無い理由を考えている。

 結果、園崎家が礼奈を仕留められなかった時に警察に売るための切り札という事になった。

 よくそんな事が考えつくもんだ。
 今の状況では、その発想力を全く褒められないけどね。


 (本編読み進め)


 隠れ家に戻る途中、自宅近くを通る礼奈。

 警官がいる事から、礼奈は魅音が死体の事を公表したのだと考え出す。
 それよりも、自分が大金を持ち出した事を思い出そうよ、ねぇ。

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