罪滅し編・読後7

 次は各編の推理。

 「鬼隠し編」
 圭一が都会に行っている間に、竜宮レナは北条鉄平と間宮リナを殺害していると思う。
 でないと、綿流しの後で圭一から隠し事はないかと問い詰められ、素の「礼奈」が出現する理由がわからない。

 圭一は起きる出来事全てを連続怪死事件と絡めて恐怖し、徐々に壊れていった。

 レナは初めは自分の犯した罪の事を圭一に問い詰められたのだと勘違いしていた。
 しかし、変わりゆく圭一を見て、自分の事ではなく別件で恐怖しているのだと理解し、助けようとしたが…という話だと思う。

 「綿流し編」・「目明し編」
 圭一の母が言っていた、事件が発覚しないのが究極の完全犯罪という言葉。
 それが実行されているとすれば、竜宮レナはこの編でも北条鉄平と間宮リナを殺害していると思う。

 レナが何もしていないのならば、詩音がレナに対して畏怖の念を抱く理由がないからだ。

 その後、詩音が本格的に壊れていき…という話になるのだろう。

 「祟殺し編」
 この編は最初にリナの遺体があがる。
 そこから考えると、「崇殺し」編に限ってはレナは殺人に手を染めていないように思える。

 この編は前半に大きな疑問が1つある。
 圭一に頭をなでられ、沙都子が壊れるシーンだ。

 演技という説もあったが、コミック版を見た感じだと、それはないように思える。

 頭をなでる行為は北条悟史もやっていた。
 北条悟史が昔沙都子に何かしており、それが頭をなでるという行為でフラッシュバックした可能性もある。

 でも、それだと何故この時だけこうなったのか、という疑問が残る。
 しかも、この時の沙都子はにーにーに助けを求めている。
 悟史が沙都子に何かした可能性は低いだろう。

 それならば、沙都子を錯乱させる原因を作ったのは誰だろうか?

 鉄平は沙都子をこき使い、怒鳴りもする。
 しかし、暴力をふるった光景を直接見た事はない。

 よって、ここでは鉄平説も否定する。

 私は魅音説を挙げる。

 詩音は「魅音」と「詩音」は同じ考えをすると言っていた。
 また、魅音は詩音に対する引け目から本来の実力が発揮できないという呪縛のようなものがあるらしい。
 それはビジュアルファンブックに記載されていた。

 沙都子の救済方法の論議途中に圭一に怒りをぶつけられた魅音。
 あの時、悪い方向にその呪縛から解き放たれた気がしてならない。

呪縛解放


 「どうして私が圭ちゃんからこんな言葉をぶつけられなければいけないの?」
 というところから、詩音と同じく憎悪の矛先が沙都子に向かったのではないだろうか。

 「沙都子が圭ちゃんに心配をかけるから」
 「助けを求めて鉄平から逃れる手段はあるのに、それをやらずに圭ちゃんに心配ばかりかけるから」
 という怒りから「目明し」編の詩音と同じような暴力にはしってもおかしくない。

 それを詩音の姿で行えば、魅音の時は普段どおりに沙都子に接する事ができる。

 そして、沙都子が壊れた時にレナが聞いた内容が「詩音に暴力を受けた」ならば、次の日の各々の行動もわかる気がする。

 圭一が殺人計画を進めている間、レナは詩音に会いに行っていた。
 沙都子から聞いた話を詩音に告げ、責める為だ。
 心当たりのない詩音は、その夜魅音から事情を聞くために園崎本家に向かう。
 そこで圭一からの電話をとったのではないだろうか?

 後は鉄平の遺体を園崎で隠蔽し、口裏を合わせ、圭一に事情を話す流れとなる。

 大災害は推理不能だけど、何となく魅音かなとは思っている。



 その他に気になる事がもう1点。

 こちらは現実の世界と関連するのだが、最近のワイドショーで取り上げられていた薬の副作用の話だ。
 気持ちが高揚するという副作用によって、ベランダから転落した人や裸足で表に出て事故にあった人がいる。
 この時の薬とはタミフルの事である。
 この話で特に気になるのは「裸足」だ。
 北条悟史も綿流しの日に裸足で行動していた。
 しかも気分が高揚していた。

 気になる。

 入江よ、薬の正しい処方をしていたのか?
 していないとすれば、それが故意なのかどうなのか…。



 さて推理はこのぐらいにして、後は到着を待つとしましょう。

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